[III-P01-4-09] 先天性肺動脈弁狭窄症に対する弁形成術後に発症した再発するリウマチ熱の1例
キーワード:リウマチ熱, 再発, 再発リスク因子
【背景】リウマチ熱(RF)の再発は14-34%にみられるとの報告があるが、再発により弁膜症や心不全の増悪を来しうるため再発予防は重要である。
【症例】7歳男児。先天性肺動脈弁狭窄症に対して計3回のカテーテル治療後、7歳時に肺動脈弁交連切開術を施行された。手術1か月後に溶連菌性咽頭炎に罹患しアモキシシリン内服で速やかに解熱した。内服10日目に嘔吐や頻回な欠伸、左肩関節痛を認め、CRP 8 mg/dLと高値だったため入院した。エコーで弁膜症の増悪はなかったが左胸水を認め、心電図のII、III、aVF、V3-6誘導でT波陰転化を認め、心膜切開後症候群を疑いアスピリン内服を開始した。その後、移動性関節痛と皮下結節が出現し、ASLO 1,250 U/mLと高値であったためRFと診断した。アンピシリンとプレドニゾロンを開始し各症状は速やかに改善し退院した。アモキシシリンを長期投与したが、発症後4か月に再び嘔気や欠伸、左肩関節痛、微熱を認めた。RFの再燃と考え初発時同様の治療を行い速やかに軽快した。その後もクラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物やベンジルペニシリンの長期投与を行ったが、11歳時、13歳時にも同様のエピソードを認めた。いずれも溶連菌感染は指摘できなかったが治療が奏功することから、反応性関節炎を含む他疾患の可能性は低くRFの再発の可能性が高いと考えられた。現時点で弁膜症の増悪は認めていない。
【考察・結論】RFの再発リスク因子は、若年(23歳以下)、抗菌薬の怠薬、心不全の既往であるとの報告がある。また心臓手術の既往は再発リスク因子ではないが、初回RF罹患時の心合併症の既往は再発リスク因子となりうるとの報告がある。 本症例で怠薬はなかったが、若年かつ術後肺動脈弁狭窄兼逆流が残存していた症例であり、再発リスクが高いと考えられる。標準的な抗菌薬予防治療ではコントロール困難な症例であり、さらなる弁膜症の合併を来さぬよう慎重なフォローが必要である。
【症例】7歳男児。先天性肺動脈弁狭窄症に対して計3回のカテーテル治療後、7歳時に肺動脈弁交連切開術を施行された。手術1か月後に溶連菌性咽頭炎に罹患しアモキシシリン内服で速やかに解熱した。内服10日目に嘔吐や頻回な欠伸、左肩関節痛を認め、CRP 8 mg/dLと高値だったため入院した。エコーで弁膜症の増悪はなかったが左胸水を認め、心電図のII、III、aVF、V3-6誘導でT波陰転化を認め、心膜切開後症候群を疑いアスピリン内服を開始した。その後、移動性関節痛と皮下結節が出現し、ASLO 1,250 U/mLと高値であったためRFと診断した。アンピシリンとプレドニゾロンを開始し各症状は速やかに改善し退院した。アモキシシリンを長期投与したが、発症後4か月に再び嘔気や欠伸、左肩関節痛、微熱を認めた。RFの再燃と考え初発時同様の治療を行い速やかに軽快した。その後もクラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物やベンジルペニシリンの長期投与を行ったが、11歳時、13歳時にも同様のエピソードを認めた。いずれも溶連菌感染は指摘できなかったが治療が奏功することから、反応性関節炎を含む他疾患の可能性は低くRFの再発の可能性が高いと考えられた。現時点で弁膜症の増悪は認めていない。
【考察・結論】RFの再発リスク因子は、若年(23歳以下)、抗菌薬の怠薬、心不全の既往であるとの報告がある。また心臓手術の既往は再発リスク因子ではないが、初回RF罹患時の心合併症の既往は再発リスク因子となりうるとの報告がある。 本症例で怠薬はなかったが、若年かつ術後肺動脈弁狭窄兼逆流が残存していた症例であり、再発リスクが高いと考えられる。標準的な抗菌薬予防治療ではコントロール困難な症例であり、さらなる弁膜症の合併を来さぬよう慎重なフォローが必要である。