[III-P01-5-06] Protein-losing gastroenteropathy was improved after left ventricular assist device with left atrial inflow cannula for restrictive cardiomyopathy.
Keywords:補助人工心臓, 心筋症, 蛋白漏出性胃腸症
【背景】拘束型心筋症は左室収縮率が保たれ、左室内腔が狭小であるため、補助人工心臓を使用する際は、通常行われている心尖部からの脱血は脱血不良、血栓形成が懸念される。左房脱血により補助人工心臓植込みを行い蛋白漏出性胃腸症が軽快した拘束型心筋症の症例を経験したので報告する。
【症例】13歳、男児。9歳時、労作時息切れと下腿浮腫の症状で発症した。左室駆出率(LVEF79%)は保たれていたが両心房の著名な拡大を認め、左室拡張末期圧上昇(16mmHg)、dip and plateauの所見より拘束型心筋症と診断し利尿剤(ラシックス、アルダクトン)を開始した。11歳時、心不全入院した際よりトルバプタンを追加した。12歳時、低蛋白・低アルブミン・低ガンマグロブリン血症(総蛋白3.3g/dl、アルブミン1.2g/dl、IgG 182mg/dl)を認め蛋白漏出シンチグラフィー陽性より蛋白漏出性胃腸症と診断した。自宅安静と利尿剤増量を行い体重減少と浮腫軽快を認めた。13歳時、体重増加し下腿浮腫も常時認めるようになった。心臓カテーテル検査では肺高血圧(左室拡張末期圧25mmHg、肺動脈楔入圧24mmHg、平均肺動脈圧25mmHg、肺血管抵抗0.30 Wood・m 2、心係数2.8L/min/m 2)の合併を認め病状は進行していた。内科的治療では心不全コントロールは困難と判断し心臓移植適応申請を行い適応と判定され、補助人工心臓植込みの方針とした。左室内腔狭小(LVDd 32mm、LVEF 67%)であり左房脱血による補助人工心臓植込みを実施した。術後1ヵ月の心臓カテーテル検査では血行動態の改善を認めた(右房圧13→9mmHg、平均肺動脈圧25→10mmHg、肺動脈楔入圧24→8mmHg、心係数2.8→4.3L/min/m 2)。アルブミンとIgGは術後1ヵ月より上昇傾向となり、術後3ヵ月ではアルブミン4.7g/dl、IgG 936mg/dlと正常範囲になった。
【結論】心尖部脱血が不適当な拘束型心筋症の症例では左房脱血も選択肢となる。血行動態の改善により蛋白漏出性胃腸症は軽快した。
【症例】13歳、男児。9歳時、労作時息切れと下腿浮腫の症状で発症した。左室駆出率(LVEF79%)は保たれていたが両心房の著名な拡大を認め、左室拡張末期圧上昇(16mmHg)、dip and plateauの所見より拘束型心筋症と診断し利尿剤(ラシックス、アルダクトン)を開始した。11歳時、心不全入院した際よりトルバプタンを追加した。12歳時、低蛋白・低アルブミン・低ガンマグロブリン血症(総蛋白3.3g/dl、アルブミン1.2g/dl、IgG 182mg/dl)を認め蛋白漏出シンチグラフィー陽性より蛋白漏出性胃腸症と診断した。自宅安静と利尿剤増量を行い体重減少と浮腫軽快を認めた。13歳時、体重増加し下腿浮腫も常時認めるようになった。心臓カテーテル検査では肺高血圧(左室拡張末期圧25mmHg、肺動脈楔入圧24mmHg、平均肺動脈圧25mmHg、肺血管抵抗0.30 Wood・m 2、心係数2.8L/min/m 2)の合併を認め病状は進行していた。内科的治療では心不全コントロールは困難と判断し心臓移植適応申請を行い適応と判定され、補助人工心臓植込みの方針とした。左室内腔狭小(LVDd 32mm、LVEF 67%)であり左房脱血による補助人工心臓植込みを実施した。術後1ヵ月の心臓カテーテル検査では血行動態の改善を認めた(右房圧13→9mmHg、平均肺動脈圧25→10mmHg、肺動脈楔入圧24→8mmHg、心係数2.8→4.3L/min/m 2)。アルブミンとIgGは術後1ヵ月より上昇傾向となり、術後3ヵ月ではアルブミン4.7g/dl、IgG 936mg/dlと正常範囲になった。
【結論】心尖部脱血が不適当な拘束型心筋症の症例では左房脱血も選択肢となる。血行動態の改善により蛋白漏出性胃腸症は軽快した。