[III-P01-5-07] Successful case of HeartMate3 implantation for a 15-year-old girl with dilated cardiomyopathy
Keywords:拡張型心筋症, 重症心不全, HeartMate 3
症例は15歳女児、出生歴及び既往歴に特記事項なし。叔父と曾祖母に拡張型心筋症の家族歴あり。3週間前から咳嗽が出現し近医内科で対症療法を行うも症状増悪傾向で前医受診。心拡大、左室駆出率低下を認め拡張型心筋症の疑いで当院へ転院搬送。来院時顔色不良、活気不良でバイタルサインは血圧112/72mmHg、脈拍113/min、酸素飽和度 100%(酸素 4L/min)。身長147.0cm、体重42.5cm、BSA1.32m2。 血液検査でBNP 1337pg/mLと著明な上昇があり、心エコーでLVDd/Ds 73mm/63mmと著明な心拡大、左室壁運動はdiffuse hypokinesisでEF18%、severe MRを認めた。翌日正中開胸、人工心肺補助下に左室心尖部脱血、上行送血の体外式補助人工心臓(VAD)装着術を行った。当日抜管し、ICUでの管理を継続した。VADはバイオフロートポンプを使用し、回転数3000rpm、送血管にクランパーを装着して流量調整を行った。経過中回路内血栓のため回路交換を3回行った。術後11日目に心臓カテーテル検査を施行、生理食塩水負荷による離脱試験を施行し離脱困難と判断した。心臓移植適応登録を経て術後42日目にHeartMate3装着術を行った。当日抜管するも翌日再挿管、術後2日目に再度抜管した後は呼吸状態安定し、術後10日目にICU退室。術後評価のCTで右視床脳梗塞を認めたが、ごく軽度の失調症状を認めるのみであった。VAD管理手技獲得を経て術後3か月で退院。現在通学を再開し、外来通院しながら移植待機中である。15歳の重症心不全に対して体外式補助人工心臓治療を経て移植登録、植込型補助人工心臓へ到達した症例を経験したので報告する。