[III-P01-5-08] A case of a extremely low birth weight infant (544g) who underwent ductus arteriosus ligation through a median sternotomy approach.
Keywords:超低出生体重児, 胸骨正中切開, 動脈管結紮術
低出生体重児は心臓手術成績を悪化させる因子である.動脈管開存症においても,特に1000g以下の超低出生体重児では,侵襲の少ない左側開胸アプローチが一般的である.今回,超出生体重児 (544g) に胸骨正中切開アプローチで動脈管結紮術を施行した症例を経験したので報告する. 症例は日齢5,女児.自然妊娠で前医で健診受診していた.在胎22週頃に不正出血あり,胎胞視認の状態で当院に母体搬送となった.在胎23週1日に臍帯脱出の所見を認め,超緊急帝王切開手術で出生となった.出生時体重は544g.出生後蘇生され,生後5分に気管挿管を実施,NICUに入室となった.経胸壁心臓超音波検査で動脈管開存症 (2.6mm) を認めた.インドメタシンナトリウム投与を3クール施行も動脈管の縮小傾向なく,手術加療の方針となった.日齢4に肺出血を認めたため,当初予定していた側開胸でのアプローチでは換気が維持困難と判断された.日齢5に胸骨正中切開アプローチで動脈管結紮術を施行した.電気メスで胸骨切開.動脈管を剥離し,3-0 nylonで2重結紮した.胸骨は6-0 polypropyleneで単結節で閉胸した.手術時間は1時間22分であった.術後血行動態は安定し,肺出血も改善した.日齢65,1235gで抜管.左横隔神経麻痺による呼吸不全を認め,日齢72に再挿管となった.日齢128,3292gに左横隔膜縫縮術を行い,日齢133に抜管した.現在日齢143で3524g,呼吸はネイザルハイフローで安定し,経口哺乳+注入で栄養を行っている.正中創部も動揺性無く治癒している. 肺出血を合併していたため,超低出生体重児に正中切開アプローチでの動脈管結紮術を施行せざるを得ない症例を経験した.どの施設でも治療方針として胸骨正中切開を選択せざるを得ない可能性があるため,情報を共有したい.