[III-P01-5-09] Our shunt strategy for safety and avoiding reintervention
Keywords:シャント, 姑息術, チアノーゼ性心疾患
目的:当院ではshunt手術において, 安全かつ次回手術までの再介入低減を目指して次のような治療方針を取っている; shunt閉塞の回避として, 可能なら体重3.5kgまで待機して3.5mm径人工血管を使用し, 最近では形態的にBT shuntが直線的に置けない例や末梢肺動脈低形成例ではCentral shuntを採用. 術後のpulmonary overcirculation回避として, 拡張期血圧≧35mmHg, 心エコーで下行大動脈の逆行血流比(RFr)≦0.65を目標にshuntへのbandingを追加. 次回手術までの再介入回避として, 必要症例では正中アプローチにて積極的に肺動脈形成術を併施. 今回, これらの方針の妥当性を検討した.方法: 2010年から2023年のshunt手術のうち, heterotaxy, 重症Ebstein, Norwood手術, unifocalization例を除いた96例(一心室26例, 二心室70例)を対象とした. RFrによるpulmonary overcirculation回避方針を取り入れた2015年を基準に, 対象期間を前期(2014年まで, 46例)と後期(2015年以降, 50例)に分類し, その手術成績を検討した. 結果: shunt種別は, 前期は全例BT shunt, 後期はBT shunt 41例, Central shunt 9例であった. 手術時体重の中央値は前期4.4kg, 後期4.0kg. 早期死亡は前期0, 後期1例(PA/IVS, RVDCC例), 根治/Glenn手術までの死亡は前期3例, 後期1例であった. 周術期ECPRは前期0, 後期1例(前述の死亡症例). shunt閉塞は前期4例のみ. pulmonary overcirculationにより緊急再手術を要したのは前期2例のみで, 後期症例におけるRFrは中央値0.42であった. 根治/Glenn手術までに再介入を要したのは前期14例, 後期7例で, 根治/Glenn手術前のPA index左右比中央値は前期0.96, 後期0.91であった. 結語:現在の治療戦略にてshuntトラブルを回避すると同時に, より少ない再介入率で左右均等な肺循環を確立している. RVDCC症例では, Glenn手術まで待機を行うか, もしくは動脈管ステント留置術が有用である可能性がある.