[III-P02-1-02] 大動脈縮窄および離断症に対する大動脈弓再建術式による影響
キーワード:大動脈縮窄, 大動脈離断, subclavian flap
【背景】大動脈縮窄および離断症に対する大動脈弓再建術はextended end-to-end anastomosis(EAAA)が施行されることが多い.一方で縮窄および離断部位の距離が長く,修復後の気管支への圧迫の危険性が高いと予測される症例に対してはsubclavian flap法(SCF)や自己組織によるパッチ形成術,swing back法など様々な方法が検討される.
【対象と方法】2013年から2024年までに大動脈弓再建術を施行した大動脈縮窄および離断症のうち2心室修復後の新生児,乳児24例を対象に手術方法による大動脈縮窄の残存,再手術の有無,合併症を比較検討した.
【結果】大動脈縮窄 19例,大動脈離断5例で,追跡期間は54±42(7~132)か月であった.EAAAが13例,その他の手術法が11例(SCF 6例,パッチ形成術 3例,swing back法 2例)であった.大動脈離断は全てその他の手術法であった.手術時年齢は18±45(2~161)日であった.術後の縮窄部位での圧較差は術後1か月でEEEA 14.6±9.7(4~36)mmHg,SCF 14.5±9.0(8~32)mmHg,パッチ形成術34.5±12.5(16~46)mmHg,swing back 22.5±9.1(16~29)mmHgとパッチ形成術で有意に高く(p=0.04),パッチ形成術の2例の再狭窄に対しPTAを施行した.また,パッチ形成術の1例で修復部位の紡錘状の拡張を認めた.EAAAの1例で術後の左気管支狭窄に対しaortopexyを施行し,swing back法の2例では遠隔期に上行大動脈に対する形成術を施行した.
【考察】SCFはEAAAと同様の良好な術後経過が得られた.パッチ形成術やswing back法での合併症を予防するために更なる検討が必要である.
【対象と方法】2013年から2024年までに大動脈弓再建術を施行した大動脈縮窄および離断症のうち2心室修復後の新生児,乳児24例を対象に手術方法による大動脈縮窄の残存,再手術の有無,合併症を比較検討した.
【結果】大動脈縮窄 19例,大動脈離断5例で,追跡期間は54±42(7~132)か月であった.EAAAが13例,その他の手術法が11例(SCF 6例,パッチ形成術 3例,swing back法 2例)であった.大動脈離断は全てその他の手術法であった.手術時年齢は18±45(2~161)日であった.術後の縮窄部位での圧較差は術後1か月でEEEA 14.6±9.7(4~36)mmHg,SCF 14.5±9.0(8~32)mmHg,パッチ形成術34.5±12.5(16~46)mmHg,swing back 22.5±9.1(16~29)mmHgとパッチ形成術で有意に高く(p=0.04),パッチ形成術の2例の再狭窄に対しPTAを施行した.また,パッチ形成術の1例で修復部位の紡錘状の拡張を認めた.EAAAの1例で術後の左気管支狭窄に対しaortopexyを施行し,swing back法の2例では遠隔期に上行大動脈に対する形成術を施行した.
【考察】SCFはEAAAと同様の良好な術後経過が得られた.パッチ形成術やswing back法での合併症を予防するために更なる検討が必要である.