[III-P02-2-10] Therapeutic challenges in a case with coexistence of short rib thoracic dysplasia and coarctation complex
Keywords:短肋骨胸郭異形成症, 呼吸不全, 大動脈縮窄複合
【背景】短肋骨胸郭異形成症(Short rib thoracic dysplasia)は狭胸郭、短い肋骨、四肢短縮、骨盤異常を特徴とする骨系統疾患である。頻度は10万人に1人とされ、新生児期に胸郭低形成に伴う重度呼吸障害及び肺高血圧により早期死亡に至る症例から学童期以降に呼吸以外の問題で診断に至る症例まで重症度は幅広い。一次繊毛の機能異常に関連し、骨以外にも多臓器に障害を認めうる。短肋骨胸郭異形成症に大動脈縮窄複合を合併し、治療に難渋した一例を経験したため報告する。
【症例】在胎40週2日、身長50cm、体重3332gで出生した男児。胸囲29cmの狭胸郭による呼吸不全のため、前医より人工呼吸管理を継続。さらに大動脈縮窄複合を合併して肺水腫を認め、手術目的に日齢3に当院転院した。呼吸管理に難渋し、高い換気設定を要した。狭胸郭で視野確保が難しい点とPH crisisのリスクを考慮し一期的修復は困難と判断。日齢20に拡大大動脈弓形成術と主肺動脈絞扼術を予定も、麻酔導入時に換気困難となり血液ガス分析でPaCO2 100mmHgを超えて耐術不可能と判断し、Off pumpでの両側肺動脈絞扼術に術式を変更した。大動脈縮窄に対し再手術及びステント留置を含め再検討もボーダーライン症例のため動脈管閉鎖後の経過を確認し、現時点では介入不要と判断。日齢27に主肺動脈絞扼術を施行し、肺水腫は徐々に軽減したが人工呼吸管理を離脱できず、日齢42に気管切開術を施行した。生後3か月現在、入院で持続鎮静と人工呼吸管理を継続している。今後は発育を待ち、在宅移行や心内修復術の時期を検討していく。
【考察】短肋骨胸郭異形成症に大動脈縮窄複合を合併した症例では狭胸郭に肺水腫を伴い、呼吸不全がより重篤となり治療に難渋した。新生児期のOn pump手術に耐術できず、Off pumpでの姑息術やカテーテル治療を含めた治療戦略を立てる必要があった。
【症例】在胎40週2日、身長50cm、体重3332gで出生した男児。胸囲29cmの狭胸郭による呼吸不全のため、前医より人工呼吸管理を継続。さらに大動脈縮窄複合を合併して肺水腫を認め、手術目的に日齢3に当院転院した。呼吸管理に難渋し、高い換気設定を要した。狭胸郭で視野確保が難しい点とPH crisisのリスクを考慮し一期的修復は困難と判断。日齢20に拡大大動脈弓形成術と主肺動脈絞扼術を予定も、麻酔導入時に換気困難となり血液ガス分析でPaCO2 100mmHgを超えて耐術不可能と判断し、Off pumpでの両側肺動脈絞扼術に術式を変更した。大動脈縮窄に対し再手術及びステント留置を含め再検討もボーダーライン症例のため動脈管閉鎖後の経過を確認し、現時点では介入不要と判断。日齢27に主肺動脈絞扼術を施行し、肺水腫は徐々に軽減したが人工呼吸管理を離脱できず、日齢42に気管切開術を施行した。生後3か月現在、入院で持続鎮静と人工呼吸管理を継続している。今後は発育を待ち、在宅移行や心内修復術の時期を検討していく。
【考察】短肋骨胸郭異形成症に大動脈縮窄複合を合併した症例では狭胸郭に肺水腫を伴い、呼吸不全がより重篤となり治療に難渋した。新生児期のOn pump手術に耐術できず、Off pumpでの姑息術やカテーテル治療を含めた治療戦略を立てる必要があった。