The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

心臓血管機能

Poster Session(III-P02-4)

Sat. Jul 13, 2024 10:00 AM - 10:50 AM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:関 満(自治医科大学 小児科)

[III-P02-4-02] How tricuspid ring morphology changes by right ventricular pressure loading: transthoracic 3D echocardiography study

矢野 瑞貴, 石井 徹子, 坂本 真季子, 佐藤 要, 竹蓋 清高, 小林 弘信, 東 浩二, 青墳 裕之 (千葉県こども病院 循環器内科)

Keywords:三尖弁, 3Dエコー, 圧負荷

[背景] 三尖弁は一般に楕円形を呈するとされるが, 容量負荷に伴う右室拡大により弁輪は拡大し円形に近づくことが知られている. 一方で右室圧上昇に伴う三尖弁輪形態の変化は明らかでない.
[目的] 右室圧上昇と三尖弁輪形態の変化について明らかにする.
[対象・方法] 2022年11月~2024年2月に検査目的に当院に入院した患者のうち, 経胸壁3D心エコーによる三尖弁形態評価が可能であった症例を対象とし, 後方視的検討を行った. 単心室症例やエプスタイン病の症例は除外した. エコー装置はGE社のvivid95, 解析ソフトは同社EchoPAC内の4D Auto TVQを用い, Major axis(弁輪の最大長径)とMinor axis(Major axisに直交する最大短径)より算出されるSphericity index(Minor axis/Major axis×100; %)から三尖弁輪形態を評価した. また, 心房中隔欠損症など右室容量負荷が主体のA群, 未手術の両大血管右室起始症など左室と等圧に近い右室圧上昇を伴うB群に疾患から分類し, ボランティアによる正常コントロール(N群)との比較, 各群内での形態変化の特徴について検討した.
[結果] 対象患者は17名(A群:11名, B群6名), 年齢は1~17歳(中央値:7歳), N群は11名, 年齢は6~10歳(中央値:7歳)であった. Sphericity indexはA群80~95%(中央値:88%), B群72~85%(中央値:83%), N群73~90%(中央値:81%)であり, A群ではN群と比べ有意な上昇を認めた一方で(p=0.01), B群ではN群との有意差を認めなかった(p=0.76). また各群内での検討では, A群/B群ともに右室拡大に相関してSphericity indexが上昇する傾向にあったが, B群では上昇の程度がA群と比較し小さい傾向にあった.
[考察・結語] 右室圧上昇を伴う疾患群における三尖弁輪は正常と同様に楕円形を呈する例が多くを占めた. また同群では右室拡大に伴う弁輪形態の変化が小さく, 右室コンプライアンスの低下により円形になりにくい可能性が一因として考えられた.