The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

心臓血管機能

Poster Session(III-P02-4)

Sat. Jul 13, 2024 10:00 AM - 10:50 AM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:関 満(自治医科大学 小児科)

[III-P02-4-05] Assessment of Heart Rate Variability Using Non-Gaussianity Index in Patients with Post Repaired Tetralogy of Fallot

飯坂 建太1,2, 高橋 健3, 岩原 可名人1, 赤塚 祐介4, 西山 樹1, 秋本 智史4, 秋谷 梓4, 稀代 雅彦4, 清水 俊明4 (1.順天堂大学大学院 小児思春期発達・病態学講座, 2.順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科, 3.順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科, 4.順天堂大学 小児科)

Keywords:心拍変動解析, 先天性心疾患, 自律神経

【背景】近年心拍変動解析の解析プログラムは大きく進歩し、その中でも非ガウス係数は非線形解析による心拍変動解析の代表的な指標の一つであり、自律神経の活動性の不安定さを反映し、心不全患者の予後指標として有用である。しかしながら、この指標を用いた心内修復術後Fallot四徴症患者(rTOF)における心拍変動解析の報告はない。【目的】rTOFにおける心拍変動の非ガウス係数を計測し、自律神経の状態を評価すること。【方法】対象は臨床的に心不全を認めないファロー四徴症心内修復術後:T群14例と正常対照:N群11例。小型心電計AC-301A (GMS Co., Ldt. Tokyo, Japan)及びCOR-VIT-R(ティーベル社、Tokyo, Japan)を装着し、得られた24時間の心拍変動データからMATLAB及びR上の独自のプログラムで解析を行った。周波数解析により交感神経と副交感神経のバランスの指標となる低周波高周波比(LF/HF比)を、時間領域解析はRR間隔の差の2乗の平均値の平方根であり、迷走神経緊張強度の指標となるRMSSDを求めた。非ガウス係数λは、RR間隔の確率密度関数を絶対モーメントで除すことにより得られ、低い値である程、正規分布に近いことを意味する。【結果】対象はT群14例(平均17.1 ± 3.2歳)とN群11例(平均14.9 ± 3.8歳)。非ガウス係数は、T群 (0.40 ± 0.07)がN群(0.30 ± 0.08)よりも優位に高く(p = 0.003)、RMSSDはT群(40.0 ± 18.1)とN群(40.0 ± 19.9)より有意に高く(p = 0.033)、LF/HFは有意差を示さなかった。【結論】臨床的に心不全を認めない心内修復後のTOF患者においても、既に副交感神経の活動性が低下し、自律神経の活動性が不安定化していることが示唆される。今後非ガウス係数が予後指標として有用か否か、慎重に経過観察する必要がある。