[III-P02-4-08] 正常右室圧にもかかわらず右左シャントを認めた4型心室中隔欠損の1例
キーワード:4型心室中隔欠損, 右左シャント, 正常右室圧
【目的】正常右室圧にもかかわらず右左シャント血流を認めた四型心室中隔欠損の1例を経験したので報告する。【症例】学校心臓検診でV1T波陽性を指摘された7歳1ヶ月の男児。聴診上レバイン2度の収縮中期雑音を胸骨左縁下部に認めた。胸部XPではCTR43.1%で肺血管陰影正常範囲内など特に異常所見は無かった。心電図ではQRS軸+60度、V1 T波陽性であったがそれ以外には異常所見は無かった。心エコー図では筋性中隔心尖部寄り1/3に1mmφの欠損を認めドプラエコー図上138.7cm/sの右左短絡血流を収縮期に認めた。三尖弁逆流軽度あり流速は222.6cm/sで右室収縮期圧は24.8mmHg と推定された。なおMモードエコー上心室中隔収縮運動は正常パターンで左室駆出率は76.5%、右室流出路と左室流出路血流量より算出したQp/Qsは1.54であった。MRIを行ったが同様にVSD4型の欠損を認めた。またその他に解剖学的異常は認められなかった。【考案】VSD4型で正常右室圧にもかかわらず右左シャント血流を認めたがQp/Qsでは左右シャントがある結果であった。MRIでは欠損孔の右室側が収縮早期に閉鎖し左室側が開きつづけているように見えた。その結果収縮期に左室内へ血流が噴き出す結果となっているように思われた。【結論】1)正常右室圧にもかかわらず右左シャント血流を認めた4型心室中隔欠損の1例を報告した。2)欠損孔の右室側が早期に閉鎖する形態であるため左室へ向かって血流が流れるものと思われた。