[III-P02-5-04] 3 cases of pacemaker implantations in patients with congenital complete heart block
Keywords:先天性完全房室ブロック, ペースメーカー植え込み術, 心外膜リード
【背景】CCHBは胎児期, 新生児期に診断された完全房室ブロックと定義され, 発生機序は母親由来の抗SSA/SSB 抗体による刺激伝導系の炎症性変化による. 有症状かつ不可逆的なCCHB はPMIの適応となるが, 心内膜あるいは心外膜リード, ペーシング部位, モードの選択などは症例に応じて検討を要する. 当院でCCHB に対するPMI を行った3 例を提示する. 【症例1】胎児診断あり,在胎37週0日予定帝王切開, 出生体重 2444g. 同日経臍静脈リードによる一時的ペーシング開始. リード先端が右室壁を押し穿破のリスクを考慮し, 日齢1, 体重 2440gでPMI施行. 胸骨部分切開下に右室リードのVVIとした. 術後経過良好であったが, 術後7年で本体交換にあわせ右房リードを追加しDDDへ変更した.【症例2】胎児診断なし, 在胎36週1日胎児徐脈のため当院搬送, 同日緊急帝王切開, 出生体重 2551g. CCHBの診断となったがHR 60bpm程度を維持, 哺乳良好につき日齢20に退院となった. 体重増加鈍化を認め, 月齢6, 体重 6690gでPMI施行. 胸骨全切開下に右房右室リードの DDDとした. 【症例3】胎児診断あり, 在胎36週3日に体動減少のため緊急帝王切開, 出生体重 1908g. 同日胸骨正中切開下に心外膜リードによる一時的ペーシングを開始した. 体重増加を待つ間にリード感染を認めた. 日齢86に経静脈リードによる一時的ペーシングに変更した後, 日齢93, 体重 3518gでPMI施行. 正中創を避け, 左開胸下に左室リードのVVIとした. 【考察】CCHBにおけるPMIでは体格が小さく心内膜ペーシングが困難である. 心外膜リードでのPMIでも心嚢内のスペースや本体のポケットのサイズの制約から心室リードのみのVVIとせざるを得ないことも多い. 当院では体格の小さな症例ではまずVVIでのPMIを行い, 成長や心機能に応じてリードを追加しDDDへの変更を行っている. 術後2カ月-14年1カ月(中央値 1年0カ月)の期間中, 死亡例はなく, 心機能は良好に保たれている.