[III-P03-1-03] An alternative approach to determining metabolic syndrome component cutoffs in children and adolescents using segmented regression analysis
Keywords:小児メタボリックシンドローム, カットオフ値, 区分回帰分析
【目的】将来の心血管疾患に影響を及ぼす小児メタボリックシンドロームに関し、統計学的根拠に基づいた年齢別、性別の診断項目カットオフ値を求める。【方法】2012-2014年に全国の9地域で、6-15才の小児1,679人を対象に健診を実施した。参加者を男女別に6-8才、9-11才、12-15才の3つの年齢群に分類した。各群のメタボリックシンドローム診断項目について逆累積パーセンタイルグラフを描き、区分回帰分析を用いて3本の回帰直線で近似させた。各回帰直線の交点(ブレークポイント)をもとに、グラフ中央部分を正常域、上(下)尾部を健康が懸念される領域とみなし、ブレークポイントのパーセンタイルに対応するグラフ上の測定値をブレークポイント値と定義した。【結果】腹囲のブレークポイント値は、男女とも6-8才、9-11才、12-15才でそれぞれ約60cm、70cm、80cmと年齢とともに増大した。血圧のブレークポイント値は年齢や性別で異なったが、トリグリセリド、HDLコレステロール、空腹時血糖は年齢差、性差が小さかった。これらの結果に基づき、小児メタボリックシンドローム診断のための新たなカットオフ値として、腹囲は各年齢群60cm、70cm、80cm以上、収縮期血圧は6-11才が男女とも110mmHg、12-15才男子が120mmHg、女子が115mmHg以上、拡張期血圧は男女とも6-8才が65mmHg、9-15才が70mmHg以上、トリグリセリドは全年齢群男女とも120mg/dL以上、HDLコレステロールは45mg/dL未満、空腹時血糖は95mg/dL以上と提案した。【考察・結論】逆累積パーセンタイルグラフの分割回帰分析によって得られたブレークポイント値は、小児メタボリックシンドローム診断項目カットオフ値の根拠として有用であった。今回提案した新たなカットオフ値は疾患予後との関連に関するエビデンスには乏しいため、今後縦断的な検討が必要である。