The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

学校保健・疫学・心血管危険因子

Poster Session(III-P03-1)

Sat. Jul 13, 2024 11:00 AM - 12:00 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:手島 秀剛(市立大村市民病院 小児科)

[III-P03-1-05] Evidence of Awareness Transformation through Practical School Emergency Simulation Training Involving Students

木下 輝来1,2, 檜垣 高史2,3,4,7, 森谷 友造3, 柏木 孝介3, 田代 良2,3, 宮田 豊寿2,3, 千阪 俊行3, 太田 雅明3,4, 高田 秀実3,4, 高橋 昌5,7, 太田 邦夫6,7 (1.愛媛大学 医学部 医学科, 2.愛媛大学 大学院 医学系研究科 地域小児・周産期学講座, 3.愛媛大学 大学院 小児科学, 4.愛媛大学病院 移行期・成人先天性心疾患センター, 5.新潟大学 大学院 医歯学総合研究科 新潟地域医療学講座 災害医学・医療人育成部門, 6.金沢大学 医薬保健研究域 医学系 小児科, 7.日本小児循環器学会 蘇生科学教育委員会)

Keywords:学校救急, 蘇生教育, シミュレーション

【背景】学校管理下における子どもの突然死の予防は学校保健上の重要な課題である。愛媛県では、AEDの有効な複数台設置とチームで連携した学校救急シミュレーションの普及に取り組んでいるが、その効果について詳しくは調査されていない。【目的】シミュレーションの前後における教職員と生徒の知識や意識の変化について評価し、より良い学校救急体制構築のあり方を明らかにする。【対象と方法】A中学校で、教職員と生徒を中心として、地域の消防、教育委員会、小児循環器学会の蘇生科学教育員会などの協力のもと、実践的な学校救急シミュレーションと学校救急に関する講義を行い、その前後で、全ての教職員および生徒に対してGoogle Formsによるアンケート調査を実施し、意識や知識の変化を評価した。【結果および考察】生徒の回答:シミュレーション後、「もし誰かが倒れた時に、倒れた場所から1番近いAEDを取りに行く自信がありますか?」という質問に対する「はい」という回答の割合が有意に上昇した。また、「学校での心肺停止は、だんだん減少しつつある」という質問に対する「いいえ」と、「心肺停止かどうかわからないときには、胸骨圧迫を開始する」という質問に対する「はい」の割合も有意に上昇した。教職員の回答:「目撃者のいる心肺停止は、100%救命できる可能性がある」という質問に対して、シミュレーション後の調査では全員が「はい」と回答した。自由記述では、生徒は、去年とは違って自分から積極的に胸骨圧迫ができた。自信がなくても勇気を出して助けることが大切だとわかった。教職員は、生徒の訓練だけでなく、教職員にとっての訓練でもある。経験を繰り返すことが大切。毎年、救急シミュレーション訓練は必要である。などと回答した。【結論】学校救急体制の充実を目指すためには、実践的な学校救急シミュレーション研修が有効かつ重要であることが明らかになった。