The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

学校保健・疫学・心血管危険因子

Poster Session(III-P03-1)

Sat. Jul 13, 2024 11:00 AM - 12:00 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:手島 秀剛(市立大村市民病院 小児科)

[III-P03-1-10] A case of a coronary artery aneurysm discovered at School Cardiac Screening

武井 陽1, 長原 慧1, 山口 洋平2, 櫻井 牧人2, 石井 卓2, 細川 奨3, 土井 庄三郎4 (1.東京都立墨東病院 小児科, 2.東京医科歯科大学病院 小児科, 3.武蔵野赤十字病院 小児科, 4.東京医療保健大学)

Keywords:学校心臓検診, 非持続性心室頻拍, 冠動脈瘤

【背景】学校心臓検診において心室性期外収縮(PVC)は二次抽出の対象となる最多の心電図異常である。川崎病の既往がなく、自覚症状がなかったにも関わらず、PVCの精査の過程で冠動脈瘤を認めた症例を経験したので報告する。【症例】13歳男子。既往歴に特記事項なし。中学校入学前に明らかな自覚症状なく、入学後より運動時の胸痛と運動後の動悸を自覚するようになった。学校心臓検診でPVCを1拍認めたため、2次検診の対象となった。2次検診で実施した運動負荷心電図検査で非持続性心室頻拍(NSVT)18連発を認めた。3次検診で実施した心エコー検査で右冠動脈(RCA)の起始部に5mmの瘤、左冠動脈(LCA)の左冠動脈主幹部(LMT)に10mmの巨大冠動脈瘤、加えて瘤内血栓の疑いを認めた。速やかに高次医療機関へ紹介の方針とした。心臓カテーテル検査で、LCA起始部に巨大瘤を認め、左回旋枝は閉塞して、左前下行枝からの側副血行路を認めた。また、RCAにも起始部の巨大瘤とその先の閉塞、側副血行路を認めた。各種精査の結果から冠動脈バイパス術を実施する方針となった。【考察】学校心臓検診を契機に冠動脈瘤が発見された症例は非常に少ない。特に本症例は明らかな川崎病や不明熱の既往がなく、心臓健診の前には明らかな自覚症状も無かった。1次検診でPVCが単発で認められなければ、2次検診の対象にはならなかった可能性が高い。小児循環器学会の学校心臓検診ガイドラインでは、PVCや単形性NSVTでは心エコー検査は必ずしも必要とされていない。しかしながら、運動誘発性VTであれば、原因検索、心機能評価のために初期の心エコー検査は重要である。川崎病の既往が無い場合でも、冠動脈瘤が原因の可能性もあり、冠動脈の評価を合わせて行うことが求められると考えた。【結論】学校心臓検診の精査においても、運動負荷試験でPVCの増悪や単形性PSVTを認める症例では冠動脈評価に習熟した検者による心エコー検査が重要であると考えた。