[III-P03-2-04] 気道病変と先天性心疾患の合併に関する臨床像の検討
キーワード:気道狭窄, 先天性心疾患, 染色体異常
【背景】先天性心疾患では、上気道や気管の気道病変を合併することがあり、心疾患の手術時期や管理、予後に影響を与えることがある。
【目的】気道病変を合併した先天性心疾患ついて、気道および心疾患の診断、手術時期、予後などの臨床像を明らかにする。
【対象と方法】2011年1月から2024年1月までに当院で治療を行なった先天性心疾患で、直視下、気管支鏡、造影CTにより喉頭、気管、気管支に軟化または狭窄がみられた症例を対象とした。大動脈弓修復術後の気管支狭窄例は除外した。気管切開群(A群)と非気管切開群(B群)について、その臨床的特徴を診療録より後方視的に検討した。結果は中央値(範囲)で示した。
【結果】A群は18例、B群は44例だった。A群の気管切開時の日齢は202(48-2966)日だった。性別、出生週数、出生体重、姑息術(肺動脈絞扼術または体肺動脈短絡術)の施行日齢、姑息術に先行した気道診断、食道閉鎖の合併に有意差はなかった。気道病変の診断日齢は、A群が83(0-389)日、B群が59(0-892)日で有意差はなかった。染色体異常や多発奇形はA群16例(89%)、B群23例(52%)とA群で有意に多かった(p<0.01)。死亡はA群4例(22%)、B群1例(2.2%)とA群で有意に多かった(p<0.02)。A群では動脈管結紮術2例、無治療の1例を除いた15例全例で、初回手術は姑息術(肺動脈絞扼術13例、体肺動脈短絡術2例)が行われていた。単心室はA群4例(22%), B群5例(11%)で有意差はなく、A群の1例はFontan手術まで到達も他3例は姑息術に留まり、B群は3例がFontan手術待機中だった。気管の手術目的による他院への転院はA群、B群ともに3例だった。
【結論】A群には染色体異常/多発奇形が多く、初回の心臓手術は全例が姑息術で死亡率が高かった。
【目的】気道病変を合併した先天性心疾患ついて、気道および心疾患の診断、手術時期、予後などの臨床像を明らかにする。
【対象と方法】2011年1月から2024年1月までに当院で治療を行なった先天性心疾患で、直視下、気管支鏡、造影CTにより喉頭、気管、気管支に軟化または狭窄がみられた症例を対象とした。大動脈弓修復術後の気管支狭窄例は除外した。気管切開群(A群)と非気管切開群(B群)について、その臨床的特徴を診療録より後方視的に検討した。結果は中央値(範囲)で示した。
【結果】A群は18例、B群は44例だった。A群の気管切開時の日齢は202(48-2966)日だった。性別、出生週数、出生体重、姑息術(肺動脈絞扼術または体肺動脈短絡術)の施行日齢、姑息術に先行した気道診断、食道閉鎖の合併に有意差はなかった。気道病変の診断日齢は、A群が83(0-389)日、B群が59(0-892)日で有意差はなかった。染色体異常や多発奇形はA群16例(89%)、B群23例(52%)とA群で有意に多かった(p<0.01)。死亡はA群4例(22%)、B群1例(2.2%)とA群で有意に多かった(p<0.02)。A群では動脈管結紮術2例、無治療の1例を除いた15例全例で、初回手術は姑息術(肺動脈絞扼術13例、体肺動脈短絡術2例)が行われていた。単心室はA群4例(22%), B群5例(11%)で有意差はなく、A群の1例はFontan手術まで到達も他3例は姑息術に留まり、B群は3例がFontan手術待機中だった。気管の手術目的による他院への転院はA群、B群ともに3例だった。
【結論】A群には染色体異常/多発奇形が多く、初回の心臓手術は全例が姑息術で死亡率が高かった。