[III-PPD2-1] 開業医として臨床研究を行う
キーワード:超音波心エコー, 臨床研究, 心機能
私は1982年秋田大学卒業後に小児科に入局した。天理よろず相談所病院小児循環器で研鑽を積まれた秋田県出身の三浦靖徳先生の人柄と卓越した臨床診断力に魅了され循環器グループを選択した。その指導方法は、視診、触診、聴診、心電図、レントゲンで形態血行動態を診断し、心カテはその正誤を確認するものというものであった。その域には到達困難と悲観した私は、のちに病棟に導入されたパルスドプラ内臓の断層心エコーの診断能力にたちまち魅了された。三浦先生が退職された1980年終わり頃から大学退職までの15年間、エコーを用いた研究に邁進した。2004年ごろから筋力低下による症状が出現、好きな草野球も億劫になり2005年秋田市に小児科医院を開業した。開業して一般診療や乳児健診が苦手なことが判明した。それを克服するために、心エコーを診療の動機付けに用いること思い立った。4か月健診で初めて診断された先天性心疾患頻度、乳児から思春期までの肥満、metabolic syndrome、痩せ、受動喫煙などにおける心血行動態評価、2009年新型インフルエンザにおける心機能、妊娠中から受動喫煙環境下にある妊婦から出生した児の血管機能やQT時間など。いつしか、外来小児科が楽しく行えるようになり現在に至っている。開業後のささやかな臨床研究を紹介したい。