[III-PPD2-3] 小児循環器医の市中医師としての役割
Keywords:小児循環器専門医, second carrier, 小児かかりつけ医
日常の小児科医としての診療の中に、心臓病患者の心臓外の診療にあたることが多く、一部心臓病に対する診療が含まれる。【自分の循環器科医師歴】医師歴38年(小児循環器科専門として28年、開業し9年)【循環器医師としての現在の役割と対象患者】a.院外活動1.幼稚園、保育園の検診、学校医、2.学校心臓検診、3.福岡市立こども病院勤務、b.院内での患者対応1.心雑音、胸痛精査、2.先天性心臓病、不整脈、心筋炎、川崎病など心臓病患者の管理(イ.一般的な開業医としての対応:感染症、アレルギー性疾患など、ロ.予防接種:定期予防接種の管理、特に術前、術後のスケジューリング、パリビズマブ筋注、ハ.循環器疾患に対する処方、在宅酸素処方、ニ.ペースメーカーチェック)【対応するための院内設備】X線撮影装置、12誘導心電計、エルゴメーター、ホルター記録器、超音波診断装置、自動血球計数CRP測定装置、PT-INR測定器、BNP測定器、AEDなど【対応してきた疾患】一部症例提示1. 6歳男児。主訴;一過性発熱、気分不良、胸痛。心電図:正常洞調律、104bpm、I、II、aVR誘導ST上昇、V1誘導ST低下、V4~6誘導ST上昇を認め、心エコー検査:左室拡張末期径38.3mm(101.5% of normal)であったが左室駆出率は56%と軽度の低下を認め心筋炎と診断した。2. 2歳女児:呼吸器感染で1回入院歴あり。心雑音聴取され来院。心エコーで左房内に隔壁があり三心房心と診断した。左心房と副室間に交通が確認できず外科治療を急ぐ必要性があり紹介した。3.12歳男児。今回初めて心雑音を聴取され来院された。大動脈弁下型心室中隔欠損で右冠尖の逸脱が明らかで外科治療に必要があり紹介。【まとめ】軽度な症状しかないが重症例が隠れている可能性があり小児循環器医としてのキャリアが役立つ場面に時々遭遇する。心臓病患者に対するかかりつけ医として診療を行うことを目標としている。