[III-PSY4-3] 新生児Ebstein病/三尖弁異形成症の左心室機能
キーワード:Ebstein病, 左室機能, 新生児
【背景・目的】Ebstein奇形および三尖弁異形成(EA/TVD)は周産期死亡の見られる疾患である。しかしEA/TVD児における左室機能不全の機序や予後因子は解明されていない。我々は新生児EA/TVDの予後とLV dyssynchronyの関連を検証した。【方法】2004年から2019年で北米多施設におけるEA/TVD新生児(n=32)と健常新生児(n=17)の生後48時間以内の心エコー検査で後方視的な症例対照研究を行った。測定項目としてLV Tei、LVEF(bullet法)、Eccentricity index(EI), Combined Cardiac output(CO)を測定した。またLV各区域のstrain curveからをglobal strainおよび各segment stain peakの平均と拡張末期からpeakまでの時間を測定した。Dyssynchronyの評価方法としてdyssynchrony index(DI)=(peak segmental average-peak global strain)/peak segmental average、拡張末期からstrain peakまでの時間をEnd diastolic time-to-peak standard deviation(SD) としてT2PSDを使用した。EA/TVDは肺動脈血流の有無PVF(+)群とPVF(-)群に分けて健常児と比較した。【結果】EA/TVD児は、健常児に比べてLV EIの増加、Combined COの低下、LV GCS増加、およびLV 円周方向のdyssynchronyの指標であるDI, T2PSDの増加を認めた。LVEIとLVCS DIは有意な相関(r=0.62, p<0.001)を認めた。PVF(+)とPVF(-)群の比較では、PVF(-)群ではLVCSにおけDIとT2PSDの有意な増加を認めた。6ヵ月後の無移植/生存率は32例中20例(63%)であり、PVF(-)群でLVCS DIが0.2以上であった症例の生存率は25%であり、LVCS DIが0.1未満では全例が生存していた。【結論】EA/TVD児はLVの異常な変形と心拍出量の低下が見られた。LV dyssynchronyが顕著に見られるEA/TVD PVF(-)群のCS DI上昇は死亡率との関連しを示していた。