[III-SL2-1] オープンサイエンス時代の医学雑誌と情報発信
キーワード:オープンサイエンス, オープンアクセス, 研究発信力
医学研究の領域において、オープンサイエンスの推進は、研究成果の透明性を高め、科学的発見の速やかな普及を促進することにより、医学の発展に大きく貢献しています。この動向は、医学雑誌の役割や情報発信の方法にも革新的な変化をもたらしています。本講演では、オープンサイエンスの時代における医学雑誌の現状と課題、さらにはその未来像について深掘りします。まず、オープンアクセス(OA)出版の普及による影響を考察します。日本の研究発信力低下が問題となっていますが、研究成果がより広く、迅速に共有されるために必要なOA出版、質の高いピアレビュープロセスの維持、出版費用の課題について議論します。次に、プレプリントサーバーの利用拡大が医学研究コミュニティに与える影響に焦点を当て、そのメリットとリスクを評価します。さらに、データ共有と再現性の向上を目指した取り組みとして、FAIR原則(Findable, Accessible, Interoperable, Reusable)の重要性を強調し、研究不正の問題についても触れておきます。最後に、セルフプロデュースの重要性について取り上げます。現代では論文を発表する時点で1つの研究の締めくくりではなく、いかにその論文を読んでもらうかが重要となっています。そのためにはSNSの活用も必要です。オープンサイエンス時代におけるこれらの進展は、医学研究のパラダイムを根本的に変える可能性を秘めています。本講演を通じて、参加者には医学雑誌と情報発信の革新的な展開について理解を深め、今後の研究活動においてこれらの知見を活用するための洞察を提供します。