[III-TRP2-3] 小児ECMOの管理と実際
キーワード:sadamatsu, shinya, sadamatsu.shinya.113
【はじめに】当院では、年間40例前後のECMO管理を行っており、そのうち約1/4が小児ECMOの管理である。成人領域での心原性ショック治療では、その重症度や血行動態に応じて、種々の機械的補助循環(MCS, Mechanical Circulatory Support)が選択される。今回、当院が実践しているECMO管理の工夫と臨床工学技士の役割について紹介する。
【チーム体制】集中治療におけるECMO管理には、医師だけでなく、多職種の参加が必要である。当院では、2017年にECMOセンターが設立された。チーム活動は、ECMO導入の適応検討、回診による治療方針の検討などがあり、定期的にチーム内で症例の振り返りが行われる。
【管理の工夫】V-A ECMOは、左心補助・右心補助・呼吸補助のすべての要素を満たす有効なMCSであり、その迅速性と簡便性から大腿動・静脈を用いたperipheral V-A ECMOが初期治療として汎用されている。しかし、小児においては、血管径が細く、合併症を防ぐため送血・脱血カニューレサイズの選択に注意が必要であり、場合によってはcentral ECMOを選択することもある。ECMO管理の最適化としては、肝不全・腎不全を回避するために十分なECMO流量を確保することが最も重要である。体血圧は平均血圧80mmHg以下を目標とし、血管拡張薬を積極的に使用する。
【臨床工学技士が注意するべき指標】我々がECMO管理中にモニタリングする生体情報項目として、pH、重炭酸、乳酸値、ヘモグロビン、血小板、ビリルビン、肝酵素、腎機能、電解質、APTT、尿量、EtCO2などに注意して管理している。悪化傾向に移行する場合はチームへ報告する。
【最後に】ECMOは、あくまでも循環補助であって原因の治療を行うわけではない。治療効果を上げるためにも、チームがいかにECMO管理を上手く行うかが重要である。そのためにも、日ごろからトレーニングや教育を行い、安全かつ迅速に適応できる支援体制を整えていく必要がある。
【チーム体制】集中治療におけるECMO管理には、医師だけでなく、多職種の参加が必要である。当院では、2017年にECMOセンターが設立された。チーム活動は、ECMO導入の適応検討、回診による治療方針の検討などがあり、定期的にチーム内で症例の振り返りが行われる。
【管理の工夫】V-A ECMOは、左心補助・右心補助・呼吸補助のすべての要素を満たす有効なMCSであり、その迅速性と簡便性から大腿動・静脈を用いたperipheral V-A ECMOが初期治療として汎用されている。しかし、小児においては、血管径が細く、合併症を防ぐため送血・脱血カニューレサイズの選択に注意が必要であり、場合によってはcentral ECMOを選択することもある。ECMO管理の最適化としては、肝不全・腎不全を回避するために十分なECMO流量を確保することが最も重要である。体血圧は平均血圧80mmHg以下を目標とし、血管拡張薬を積極的に使用する。
【臨床工学技士が注意するべき指標】我々がECMO管理中にモニタリングする生体情報項目として、pH、重炭酸、乳酸値、ヘモグロビン、血小板、ビリルビン、肝酵素、腎機能、電解質、APTT、尿量、EtCO2などに注意して管理している。悪化傾向に移行する場合はチームへ報告する。
【最後に】ECMOは、あくまでも循環補助であって原因の治療を行うわけではない。治療効果を上げるためにも、チームがいかにECMO管理を上手く行うかが重要である。そのためにも、日ごろからトレーニングや教育を行い、安全かつ迅速に適応できる支援体制を整えていく必要がある。