日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題B】人々の生活に根ざした多様なスポーツ文化をいかに醸成していくか

スポーツ文化研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/スポーツの理想とその暴力性:多様なスポーツ文化の醸成へ向けたスポーツ研究の自己反省

2021年9月8日(水) 10:45 〜 12:45 会場2 (Zoom)

コーディネーター:髙尾 尚平(⽇本体育⼤学)、山口 理恵子(城西大学)

本企画の主題は、体育学に関する学問論的省察である。この省察は、スポーツと多様性の問題に対する1つの応答である。本企画では、多様性を排除する力を暴力性と呼ぶ。暴力性は、スポーツの理想を語ることと表裏一体の関係にある。クーベルタンが掲げたオリンピックの理想は、女性を競技の外側に位置づけるものであったし、スポーツの公平性を基礎づける「自然な身体」という理想は、「不自然」と見做された身体を排除する力となっている。こうした暴力性が明るみにされてきたいま、スポーツにおける多様性の尊重は、学問的課題となりつつある。だが、学問もまた、暴力性と無縁ではない。たとえば、学問が近代スポーツの超克を理念として掲げれば、その批判の矛先に含まれる多様な現実を「近代スポーツ」という観念に包摂する暴力性が生じる。また、スポーツ科学への過度な価値づけは、実践のアクチュアリティを捨象する暴力性にもなりうる。学問的営為は、自らの暴力性への自覚を欠くとき、多様性を排除する機構になりかねない。そこで本企画では、暴力性を視座としつつ、専門領域を交域する対話から、既存の体育学のパラダイムや制度設計に潜む課題を省察する。

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