2021年9月9日(木) 09:40 〜 10:40 会場2 (Zoom)

司会：関根 正美（日本体育大学）

本発表では、浅田学術奨励賞受賞論文の内容を概説し、その今日的意義について検討する。同論文では、経済・技術・倫理の三見地からプロフェッショナル競技者の概念内容を明らかにすることを目的とし、下記の議論を展開した。第一に、経済的見地から、職業としてのプロ競技者を定義し、収入形態や資格の付与といった観点から様々な形態があり得る可能性を示した。第二に、技術的見地から、スポーツ構造に則った技能の発揮というプロ競技者の技術的特性を明らかにし、組織的創造によりプロ競技者がスポーツ構造を変容させ得ることを指摘した。第三に、倫理的見地から、ゲームの成立、勝利の追求というミクロなレベルから、観戦者の魅了、社会のロールモデルの体現といったよりマクロなレベルまで、様々な社会的役割をプロ競技者は担うことになると結論づけた。この中で特に今日的に意義があるのは倫理的見地に関する考察であろう。アマチュアスポーツ界で生じる暴力やハラスメントが社会的批判を受ける昨今、社会のロールモデルを担うプロ競技者の存在は一層重要性を増すと考える。

2021年9月9日(木) 09:00 〜 09:30 会場2 (Zoom)

座長：松宮 智生（清和大学）