日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

ご挨拶

第71回大会開催のご挨拶


 

第71回大会組織委員長

清水 紀宏

筑波大学体育系


 創立71年を誇る日本体育学会は,2021年度より「日本体育・スポーツ・健康学会」へと学会名を変更し,新たなスタートとなる第71回大会を2021年9月7日(火)~9日(木)の3日間,筑波大学が主管として開催させていただくことになりました.なお,新型コロナウイルスの感染状況をふまえ,同時双方向型のオンラインによる開催とさせていただきます.
 筑波大学は,未来へのフロントランナーとしての使命を果たすべく1973年(昭和48)に新構想大学として開学した「先端校」「先進校」であると同時に,そのルーツは1878年(明治11)設立の体操伝習所にまで遡る「伝統校」「名門校」でもあります.とりわけ,体育・スポーツの分野においては,約150年の長きにわたり我が国の体育・スポーツ界を教育・研究の両面においてリードして参りました.
 筑波大学における日本体育学会の学会大会は,1986年(昭和61)の第37回大会,2005年(平成17)の第56回大会以来16年ぶり3度目の開催となります.従来の学会大会は,体育学/スポーツ・健康科学を構成する各専門分科領域(discipline)別の縦割り的な研究発表及びシンポジウム等を中心としたスタイルでしたが,つくば大会からこれを一新し,体育・スポーツ・健康に関わる重要な今日的課題をテーマとして設定し,領域横断的な議論を活発化させることで「社会のための学術」を推進する機会といたします.具体的には,学会大会を会員の研究成果を統合する場と位置づけ、統合すべき5つの応用領域(「スポーツ文化」「学校保健体育」「生涯スポーツ」「競技スポーツ」「健康福祉」)ごとに各々3つの解決すべき重要な社会的課題を設定し,これに対応したシンポジウムと研究発表を組織化します.このことによって,テーマ・オリエンテッドな学際的研究を進展させ、学会大会を実践的・応用的な学術知を力強く発信する装置とすることで,スポーツや身体活動を通じた「望ましい社会」の実現に役立てたいと考えております.
 今年の学会大会は,わが国で2回目の開催となる夏季オリンピック・パラリンピック2020大会直後の開催でもあり,また,2022年に延期が決定したワールドマスターズゲーム関西大会と併せて,スポーツが世界の平和や共生社会の実現に大きく貢献するまたとない好機に行われます.
 他方で、全人類を巻き込んで猛威をふるうウイルスの終息は未だ見通せず,こうした不確実な状況下では,残念ながら従来のような対面式の学会大会を実施することは困難です.研究者間の直接的な熱い学術的対話と懇親を心待ちにしていた会員の皆さまには誠に恐縮ではございますが,Web学会という形式でもありますので,多数の皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます.