The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

スポーツ文化研究部会 » 【課題A】グローバル課題の解決に向けてスポーツから何が提案できるか

スポーツ文化研究部会【課題A】口頭発表②

Tue. Sep 7, 2021 1:30 PM - 2:45 PM Room 10 (Zoom)

Chair: Masahiro Kawanishi (Doshisha University)

1:30 PM - 1:45 PM

[スポーツ文化-A-05] 「スポーツと幸福」に関する文献研究(その1)

研究の背景と意義

*Norihiro Shimizu1, Seiichi sakuno2, Takeshi Yokoyama3, Masashi Asakura1, Ebbe Daigo1, Toshihiro Hayashida4, Hiroki Shibata5, Yutaka Kimizuka4 (1. University of Tsukuba, 2. Waseda University, 3. Kanazawa University, 4. Doctoral Program , University of Tsukuba, 5. Yamanashi Gakuin University)

 新しい学術体系(日本学術会議、2003)において、「設計科学」と性格づけられる体育学/スポーツ・健康科学の研究者集団であるこの学会は、「社会のための学術」としてのミッションを強く自覚して2021年度より定款上の「目的」改正を行った。設計科学とは、認識科学(あるものの探求/対象の認識による法則性の発見)とは異なり、「ある目的」をもった人工物(モノあるいはシステム)の創造・制作・改変・利用に関連する、あるべきものを探求する学術ジャンルである。従って、設計科学は何らかの実践上の価値の導入なしには存立できない。では一体、専門分科した諸学間で合意可能な設計目的となる社会的使命とは、いかに構想したらよいのであろうか。  

 他方、わが国のスポーツ政策(スポーツ推進システムの整備が使命)の基盤となるスポーツ基本法の制定から10年が過ぎた。この法律の前文には、スポーツを権利の「対象」とする「スポーツのためのスポーツ権」ではなく、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」とスポーツ「による」幸福追求権が法理念として謳われた。が、果たして、スポーツを「したり、見たり、支えたり」する活動が豊かに展開されたならば、個人と社会全体の幸福にとって本当に有用なのであろうか。残念ながら、わが国における「スポーツと幸福(不幸)」研究の蓄積はとても乏しい(但し、高齢者・患者×身体活動(量)×(健康関連)QOLという治療・介護・福祉的観点からの研究の蓄積は豊富)。そこで本共同研究では、「スポーツと幸福(不幸)」に関する国際的な研究動向を包括的にレビューすることで、「スポーツと幸福(不幸)」研究の到達点と課題を明らかにするととした。