10:30 AM - 11:00 AM
[本部企画-S1-1] Evidence accumulation model using the resources of academic societies
<演者略歴>
17−18年の政策検討・諮問委員会分科会座長を務め「日本体育学会が恒常的にEBSPへ関わるためのevidenceの蓄積を可能にする仕組み」をとりまとめた。1998年には自らNPO法人を創設し、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンや三菱財団、住友生命健康財団など数多くの民間援助団体との協働・研究事業を実施してきた。
17−18年の政策検討・諮問委員会分科会座長を務め「日本体育学会が恒常的にEBSPへ関わるためのevidenceの蓄積を可能にする仕組み」をとりまとめた。1998年には自らNPO法人を創設し、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンや三菱財団、住友生命健康財団など数多くの民間援助団体との協働・研究事業を実施してきた。
個人から組織へ。政策立案や身体活動基準、指針策定、そしてそれらの検証・評価プロセスでは、学会構成員個人の研究インフラに依存し、立案・策定に係る委員会やプロジェクトのもとでエビデンスの収集・蓄積に成果を上げてきた。さらに指導実践と研究のギャップを埋める記述言語やアウトリーチ活動の工夫を通じてより質の高いエビデンスの収集を目指す個人の熱情も感じる。しかしながら、たとえばシスティマティックレビューの対象が国外のエビデンスに偏っているように国内でのエビデンスの収集・蓄積には高いハードルがあることが指摘されてきた。また大規模な横断的・縦断的なエビデンスの収集には、産官学民の組織間連携の必要性も指摘されている。個人では困難なエビデンスの収集・蓄積を学会という組織資源の動員によって、それがどこまで可能であるのか。2020年3月、エビデンスという言説イデオロギーの支配性にも注意しながら、その可能性を問うべく政策検討・諮問委員会は「日本体育学会が恒常的にEBSPへ関わるためのevidenceの蓄積を可能にする仕組み」を発表した。本シンポジウムでは、この仕組みの限界と可能性を睨みつつ各報告者の議論を深めていただきたい。