The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】口頭発表①

Tue. Sep 7, 2021 1:30 PM - 2:40 PM Room 13 (Zoom)

Chair: Wakaki Uchida (Kyushu University)

2:10 PM - 2:25 PM

[競技スポーツ-A-03] 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う自粛生活が大学生運動部員のストレス反応に与える影響

ライフスキルのストレス反応緩和効果に着目して

*Yaeko Yamada1, Maki Moriya2, Kaori Yamaguchi2, Hironobu Tsuchiya3 (1. Grad School of Sport and Exercise Sciences, OUHS, 2. University of Tsukuba, 3. Osaka University Of Health And Sport Sciences)

緒言:2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大し、2021年5月時点でも収束の見通しは立っていない。大学生運動部員にも練習制限や競技会の中止などの影響が出た。このような不測の事態に対する個人の対処資源の一つとして、「日常生活におけるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」(WHO、1997)と定義されるライフスキル(LS)がある。大きなライフイベントに対して備えるスキルであり(Gould & Carson、2008)、COVID-19拡大状況においても活用できる可能性が考えられる。本研究の目的はCOVID-19拡大に伴う自粛生活が大学生運動部員のストレス反応に与える影響及びLSのストレス反応緩和効果の検証であった。

方法:2020年12月に体育系A大学(大阪府)の運動部員123名(20.35歳±1.17; 男性57名、女性66名)を対象として実施した。ストレッサ評価には「アスリート用COVID-19ストレッサ尺度」(Yamaguchi et al., 2021)に本研究の対象に合わせ項目を追加して用いた。ストレス反応は「スポーツ選手用ストレス反応尺度」(煙山、2013)、LSは「日常生活スキル尺度(大学生版)」(島本・石井、2006)を用いて評価した。

結果:ストレス反応を従属変数、ストレッサ及びLSを独立変数とする重回帰分析の結果、ストレッサはストレス反応に有意な正の影響(β=.36)、LSは有意な負の影響を及ぼしていた(β=.30)。決定係数はR2= .20であった(いずれもp<.001)。

考察:COVID-19拡大に関するストレッサは大学生運動部員のストレス反応に正の影響を及ぼしLSによって緩和される可能性が示された。COVID-19拡大のような事態における運動部員のメンタルヘルス維持のためにLS教育の有益性が示唆された。