日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

2021年9月7日(火) 13:30 〜 14:40 会場14 (Zoom)

座長:荒井 弘和(法政大学)

13:30 〜 13:50

[競技スポーツ-A-05] 陸上競技・跳躍種目における競技パフォーマンスの動態に関する研究

男女学生競技者の性差に着目して

*三木 圭太1、青山 亜紀1、青山 清英1 (1. 日本大学)

陸上競技選手の最大の目標は、目標とする試合で自己最高記録および年間最高記録の達成である。この目標達成のためにはスポーツフォームの獲得が必要不可欠である(青山、 2015)。スポーツフォームの分析・評価は競技記録そのものが競技力の総合的指標としてとらえることができるという理由から、測定種目を対象に行われてきた(村木、1994)。このような観点から陸上競技については村木(1994)が種目特性を考慮したスポーツフォームの判定基準を以下のように作成した。自己最高記録に対してトラック種目では98%、比較的技術性の高いフィールド種目の跳躍種目では97%、投てき種目では96%とされる。この判定基準を用いて、これまで世界のトップレベル選手や日本国内学生競技者を対象とした研究が行われてきた(村木、1987、1989;青山、2010;藤光ら、2011;川口ら、2016)。このうち、日本学生競技者を対象とした先行研究では、競技特性や競技力レベルの相違については考慮されているが、性差は考慮されていない。女性は男性と比較し、専門的な身体作業能力が劣る(シュモリンスキー、1982)点などから、競技パフォーマンスの動態に関する研究では性差を考慮する必要性があると考えられる。よって本研究では、跳躍種目について、男女学生競技者を対象に、性差に着目した近年の主要試合における競技パフォーマンスの動態の傾向を明らかにすることを目的とした。そこで、学生競技者にとって重要な競技会として位置づけられる各地区の学生陸上競技対抗選手権大会および日本学生陸上競技対抗選手権大会において発揮された競技記録から年間最高記録の値を除した記録達成率を算出し、2試合間の記録達成率の伸び率を男女それぞれ比較した。その結果、両性間で伸び率の度合いに差異があり、男女それぞれの競技パフォーマンス発揮に特徴があることが示唆された。