The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

Tue. Sep 7, 2021 1:55 PM - 3:00 PM Room 17 (Zoom)

Chair: Naomi Yoshioka (Tokai University)

2:40 PM - 3:00 PM

[生涯スポーツ-A-07] わが国の障害者スポーツ推進のあり方に関する試論

*Motoaki Fujita1 (1. Nihon Fukushi University)

わが国における障害者スポーツの推進は2013年までは主として厚生労働省で、2014年以降は文部科学省あるいはスポーツ庁において行われている。2013年以降の障害者の週1回以上のスポーツ実施率は18.2%(2013年)、19.2%(2015年)、20.8%(2017年)、25.3%(2019年)、24.9%(2020年)と微増傾向にある。一方で、障害のない人の実施率と比べると半数以下という状況が続いており、大きな伸びはみられないというのが現状である。
その理由の一つが障害者の持つ多様性にあると考えられる。障害のある人は障害種類や程度、障害発生時期、年齢(障害発生時の地域的状況や医療制度)によって、スポーツへのアクセス条件が異なる。障害者のスポーツ実施率の向上にはこうした多様性をカバーできる施策が必要となる。そこで本研究では現在の障害者スポーツ推進の状況を中央競技団体の状況、地域の障害者スポーツ協会等の事業、学校における状況、一般の人々の理解の状況などについて触れ、今後必要となる施策の在り方について述べる。
障害者のスポーツ推進の長期的な施策としては、中央競技団体の連携や統合に向けた取り組み、学校体育において、スポーツの好きな子どもたちを多く作ること、広く国民に対して障害者スポーツの理解を促し、障害者に対する意識をより肯定的にすることが重要である。中期的な施策としてはにおける各種障害者スポーツ推進事業や学校におけるパラリンピック教育等の継続的な実施が必要がある。短期的な施策として、地域における障害者スポーツの推進体制の構築(スポーツ推進計画に障害者スポーツ推進を位置づけることや関連組織の連携、協議会等の設置等)、障害者や当事者団体に対する直接的な働きかけが必要である。