日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】テーマ別シンポジウム/共生社会と生涯スポーツは共存できるのか:スポーツのパラダイムチェンジが共存への鍵

2021年9月7日(火) 15:15 〜 17:15 会場7 (Zoom)

コーディネーター:内田 匡輔(東海大学)

16:35 〜 17:15

[生涯スポーツ-SA-3] 子どもも親も安心できるスポーツ環境の構築へ向けて

*藤後 悦子1 (1. 東京未来大学)

<演者略歴>
福岡県出身。筑波大学教育研究科修了、東京学芸大学大学院単位修得満期退学。筑波大学にて博士号を取得。公認心理師、臨床心理士、臨床発達心理士。現在、東京未来大学こども心理学部教授。新宿区社会教育委員、足立区区民評価委員会副会長、足立区文化・読書・スポーツ推進委員会副会長(運動・スポーツ部会会長)。日本中学校体育連盟の研修、民間スポーツ団体でのペアレント教室や心理サポートなどを担当してきた。
 生涯スポーツの入り口となるジュニア期のスポーツの受け皿としては、地域スポーツの役割が大きい。地域スポーツは、一般的に入会制限などはなく、特別な配慮が必要な子ども達も多く参加している。地域スポーツへの参加は、親の支えになしには成り立たず、練習や試合会場への送迎、当番、応援など様々な場面で親は子どものスポーツに関わっていく。そのため地域スポーツの場では、指導者と子どもとの関係のみでなく、親と子どもの関係、応援席の親集団と子どもとの関係、親同士の関係、子ども同士の関係など多層的な人間関係が交差する。そこには多様なニーズや価値観も存在することとなる。本来であれば、多様なニーズに対応できるスポーツ環境を整える必要があるが、勝利至上主義に傾くことで、技術力が低い子どもや配慮が必要な子がスケープゴートになりやすい。
 3人の子どもの親として地域スポーツに関わってきた経験や、臨床心理士としての相談活動を通して、スポーツの魅力を実感するとともに課題とも直面してきた。演者らが行ってきた研究結果や実践をもとに、親も子も安心できるスポーツ環境を構築するためには何が必要であるのかを議論していきたい。