The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » Psychology

体育心理学 ポスター発表

[03 心ーポー26] 運動部活動顧問教員アイデンティティとバーンアウトの関連

〇Futa Yahiro1, Yoshio Sugiyama2, Takahiro Toyama1 (1.Graduate School of Kyushu University, 2.Kyushu University)

わが国における運動部活動を担当する顧問教員は、過酷な労働環境に身を置いていることからストレスフルな状況であることが推察される。顧問教員のような対人援助職を対象としてストレスの程度を検討する場合、バーンアウトに焦点が当てられている。しかし、これまで顧問教員に限定してバーンアウトの程度の現状を把握した研究は見受けられないため、本研究では顧問教員のバーンアウト状況の実態を明らかにすることとした。また、教員のバーンアウトを検討する際、職業的アイデンティティに着目されていることから、運動部活動の顧問教員としてのアイデンティティとバーンアウトの関連性を検討した。顧問教員のバーンアウト状況の実態を明らかにするため、田尾・久保(1996)の診断基準に基づいて検討した結果、情緒的消耗感について、不健康状態に属する者の割合が約7割を超えていた。基本的属性間によるt検定を実施した結果、女性が男性より有意にバーンアウト得点が高いことが明らかになった。また、担当科目について、保健体育を担当する顧問教員とそれ以外の科目を担当する顧問教員に分類し検定した結果、保健体育を担当する顧問教員は、それ以外の科目を担当する顧問教員より、有意にバーンアウト得点が低かった。アイデンティティとバーンアウトの関連性について、教員アイデンティティ因子、指導者アイデンティティ因子のいずれも強く形成している顧問教員ほどバーンアウト傾向にないことが明らかになった。以上のことから、顧問教員のバーンアウト状況の実態、ならびに顧問教員としてのアイデンティティとバーンアウトの関連性を明らかにすることができたといえよう。