日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育心理学 ポスター発表

[03 心ーポー30] 水中運動プログラム参加による心理的効果

メンタルヘルス向上に向けたリラックス感の獲得

〇西垣 景太1、遠藤 慎也1、永井 健太郎1、有賀 誠司1 (1.東海大学)

運動によるメンタルヘルス改善の観点から、本研究は、水の特性を利用した運動プログラムの効果検証を目的とする。本研究で取り上げるプログラムの効果として期待される点は、水圧の変化による自律神経調整効果や浮力による姿勢保持筋のリラックス効果である。本研究では、水中での静的動的運動を含めたプログラムとし、ウォーキング・サーキット・バブリング・ライフジャケットを着用しての浮き姿勢を組み込んだ内容とし、その効果について生理的・心理的指標を用いて検証した。本発表においては、心理的指標の分析結果について発表を行う。教室には週に1回、全4回の1カ月間継続して参加することとし、教室参加前後と毎回の教室終了時に質問紙への回答を求めた。調査内容は、運動に関する自己効力感として橋本ら(1996)が作成した「運動効果に対する信念尺度」「運動への意欲尺度」「運動自信感尺度」「水中運動を行うことへの自信の程度」について5件法で回答を求め得点化して評価を行った。その他、教室へ参加したことで得られた効果などについて回答を得た。本研究の有効回答数は、教室参加前後の回答に不備のなかった10名を分析対象とし、統計的な有意水準は5%以下とした。分析にはIBM SPSS Statistics26.0を使用した。分析の結果、「水中運動を行うことへの自信の程度」は、教室参加前よりも教室参加後の得点が有意に向上した(p <.01)。その他の尺度得点においては、教室参加後に平均値の向上が見られたものの、統計的な有意差は認められなかった。教室参加後のアンケートでは、すべての回答者が、教室参加による「運動によるリラックス感」を得ることができたと回答した。具体的には、運動後に身体が軽くなる感覚や疲労の軽減、睡眠の質の向上に関して記述しており、本プログラムの特徴であるメンタルヘルスを目的としたプログラム内容の心理的効果を示唆する結果となった。