[03 心ーポー38] 積極性評価尺度の評価段階の設定
積極性評価尺度を開発し、内部一貫性クロンバックのα係数や内部平行系列信頼性により信頼性が高いこと、スポーツの場だけでなく新たな習得の場や生活習慣の変化に対しても十分に適用でき、さらに高校生や大学生から高齢者を含む一般成人まで適用できること等を確認した。そこで本評価尺度の検査結果の理解を容易にするため、評価段階を設定した。対象はインターネット調査に参加した12,909名(男子6,490名、女子6,419名)、年齢は12歳以上80歳未満(平均年齢43.47±15.25歳)で、各年代の人数および男女比はほぼ同数である。各段階2,581人、5段階目のみ2,585名とした。7因子は最低点5点から最高点25点であり、各段階の上限値は段階Ⅰが12-14点、段階Ⅱが14-15点、段階Ⅲが16-17点、段階Ⅳが18-19点、段階Ⅴは満点の25点、合計点では最低点35点から最高点175点であり、各段階の上限値は段階Ⅰが95点、段階Ⅱが106点、段階Ⅲが115点、段階Ⅳが128点、段階Ⅴが満点の175点であった。次に女子9人制バレーボール社会人3チームの選手36名(平均年齢21.5±2.44歳)を対象に、DIPCA.3総合点と積極性評価尺度合計点の相関係数を算出した。r=0.619(p<.001)で正の相関関係であった。段階別ではDIPCA.3の5・4段階17名と3段階以下19名に2分し、積極性評価尺度Ⅲ段階以上19名とⅡ段階以下17名に2分し、χ2検定を行ったところ有意差がみられ(p=0.001)、積極性評価尺度段階が高い者はDIPCA.3の段階も高く、低い者はDIPCA.3の段階も低い結果となり、積極性評価尺度の5段階設定は妥当であると考えられ、評価段階を設定することで、本尺度の検査結果への理解が容易になり、メンタルサポートを実施する上での指標の一つとなることが示唆された。