The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » Psychology

体育心理学 ポスター発表

[03 心ーポー43] コロナ禍における大学生アスリートの心理的問題・課題と精神的健康の経時的変化

〇Yohei Tomatsu1, Hideaki Takai2, Hitomi Ookubo2, Koji Iwasaki2, Kazue Sakazume2, Akiyuki Kawanami1, Sae Orimo1 (1.Graduate school of Nippon Sport Science Univ., 2.Nippon Sport Science Univ.)

アスリートはコロナ禍で大会の中止や延期、練習環境の変化を抱えながら競技生活を送っている。江原ら(2021)は、コロナ禍で大学生アスリートが学生生活全般に不安を感じていることを報告している。本研究では、コロナ禍における大学生アスリートの心理的問題・課題および精神的健康の経時的変化について検討することを目的とした。調査対象者は、A大学学友会運動部に所属する学生403名(男性146名、女性257名)であった。調査は、1回目を2020年6月下旬~8月上旬、2回目を2021年2月上旬~3月下旬に実施した。調査対象者には、心理的問題・課題に関する実態調査と日本語版 GHQ28への回答を求めた。なお、分析対象者は、両調査に不備なく回答した125名(男性38名、女性87名、平均年齢19.04±0.91歳)とした。実態調査については、心理的問題・課題の程度を5件法で確認したところ、1回目2名、2回目6名が「少ない」、1回目14名、2回目17名が「やや少ない」、1回目49名、2回目32名が「どちらともいえない」、1回目46名、2回目54名が「やや多い」、1回目14名、2回目16名が「多い」と回答した。次に、両調査におけるGHQ28の経時的変化を検討したところ、身体的症状とうつ傾向の得点は、1回目から2回目にかけて有意に高まった(p<.05)。橋本(2021)は、コロナ禍によるイベントなどの活動中止よりも日々の学業や生活で生じるデイリーハッスルズが抑うつと関連することを報告している。本研究の2回目の調査時期には、A大学学友会運動部の活動は再開されていたが、練習環境の制限があり、練習プログラムや練習時間などが新しい様式となり、それに適応するために苦慮して身体的症状やうつ傾向の得点が有意に高まったものと推察される。