日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育科教育学 ポスター発表

[11 教ーポー04] 小学校体育におけるボール運動系の3つの型の授業に対して女性教諭と男性教諭が感じている課題の違い

〇岩間 圭祐1、大田 穂2、小出 真奈美3、鈴木 由香4、木塚 朝博1 (1.筑波大学体育系、2.順天堂大学スポーツ健康科学部、3.筑波大学大学院、4.株式会社日立製作所ソフトボール部)

平成29年に改訂された小学校学習指導要領では、ボール運動系の領域において、ゴール型、ネット型、ベースボール型の3つの型の運動が取り上げられている。3つの型それぞれで児童が身に付けるべき知識及び技能は異なるため、それぞれの型の授業で教諭が感じている課題も異なることが推測される。また、令和2年度版の文部科学統計要覧(文部科学省)において、小学校における女性教諭の割合は64.1 %であり、小学校教諭の約2/3は女性である。先行研究においても体育授業の学習指導に関して、女性教諭と男性教諭とでは指導上の悩みが異なると報告されておりボール運動系の3つの型の授業でも感じている課題が異なる可能性がある。
そこで本研究の目的は、小学校体育におけるボール運動系の3つの型それぞれの授業を実施する際に女性教諭と男性教諭が感じている課題の違いを明らかにすることであった。これらを明らかにすることで、より現場の実態を踏まえた改善策の検討が可能となるのみでなく、より効果的な指導法や教材を検討するための有益な情報となることが期待される。
横浜市T区内の小学校に勤務する小学校教諭を対象として自記式質問紙法にて調査を実施した。調査内容はボール運動系の3つの型それぞれにおいて、授業を実施する際に課題だと感じるもの(「道具がそろっていない」、「実施するスペースがない」、「児童の怪我が心配である」、「児童の興味・関心をひくのが難しい」、「自身の知識および技能に不安がある」、「教材研究が難しい」)について、「1.とてもそう思う」、「2.そう思う」、「3.あまりそう思わない」、「4.そう思わない」の四件法で回答を求めた。その結果、女性教諭と男性教諭とでは授業を実施する際に課題を感じている者の割合、課題を感じている型、課題と感じている内容が異なることが明らかになった。