[11 教ーポー07] 保健学習における知識の習得と思考力の関係
感染症・エイズ及び性感染症の学習から
【研究の背景と目的】保健学習における思考力の育成は、対話的な学びの推進により様々な実践が重点的に進められているところである。しかしながら、思考力の育成だけを重視するだけではなく、基礎的な知識の習得とのバランスの取れた学習指導が必要であると考える。そこで、本研究は感染症、エイズ及び性感染症の知識の習得の違いと、思考力の内容の特徴を分析し、中学校の保健学習における知識の習得と思考力との関係を事例的に明らかにし、学習指導の在り方を検討することを目的とした。
【方法】札幌市A中学校の第3学年の生徒103名(男子50名、女子53名)を対象とし、2017年8月から9月に調査した。知識の測定は、中学校学習指導要領解説・保健体育科編と、対象校で使用している教科書に基づき、記述式の問題14項目のテストを作成して実施した。思考力は感染症の予防方法とし、単元の終了後にワークシートに記述させた。この予防方法の記述内容について、質的解析ソフトNVivo12(QSR International)を用いて頻出語を抽出し、思考力の評価として分析を行った。
【結果と考察】感染症の知識得点の上位群は下位群に比べて、ウイルスなどの病原体を消毒すること、手洗いにより感染経路を遮断すること、休養や運動、ワクチン接種の記述が確認できた。また、エイズ及び性感染症の予防では、不特定多数のパートナーとの性的接触を避けること、ウインドウピリオドや潜伏期間などのエイズ特有の疾病概要を用いて説明できていた。また、予防方法を適切に説明できる群と説明不足の群では、適切な説明ができる群が、感染症とエイズ及び性感染症の知識の得点が有意に高い値を示した。このことから「感染症の知識の習得」と「予防方法を具体的に示して説明する思考力」には関係があり、知識と思考力を互いに関連させながら習得していく学習指導が必要と考える。
【方法】札幌市A中学校の第3学年の生徒103名(男子50名、女子53名)を対象とし、2017年8月から9月に調査した。知識の測定は、中学校学習指導要領解説・保健体育科編と、対象校で使用している教科書に基づき、記述式の問題14項目のテストを作成して実施した。思考力は感染症の予防方法とし、単元の終了後にワークシートに記述させた。この予防方法の記述内容について、質的解析ソフトNVivo12(QSR International)を用いて頻出語を抽出し、思考力の評価として分析を行った。
【結果と考察】感染症の知識得点の上位群は下位群に比べて、ウイルスなどの病原体を消毒すること、手洗いにより感染経路を遮断すること、休養や運動、ワクチン接種の記述が確認できた。また、エイズ及び性感染症の予防では、不特定多数のパートナーとの性的接触を避けること、ウインドウピリオドや潜伏期間などのエイズ特有の疾病概要を用いて説明できていた。また、予防方法を適切に説明できる群と説明不足の群では、適切な説明ができる群が、感染症とエイズ及び性感染症の知識の得点が有意に高い値を示した。このことから「感染症の知識の習得」と「予防方法を具体的に示して説明する思考力」には関係があり、知識と思考力を互いに関連させながら習得していく学習指導が必要と考える。