日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育科教育学 ポスター発表

[11 教ーポー10] 高専体育におけるICTを用いたフィードバックが学生の主観的理解度にもたらす影響

バレーボールのアンダーハンドパスに着目して

〇中村 祐太郎1、溝上 拓志2 (1.富山高等専門学校、2.仙台大学)

教育現場においてICTを用いた授業が展開され、教育活動の一役を担っているのは周知の事実である。文科省においても学校におけるICT教育の環境整備が進められており、今後教育の中心的役割を果たすことが予想される。ICTを用いた研究は多数あるものの、高専での体育授業における研究や報告は乏しいのが現状である。高専は中学卒業後より、5ヵ年にわたり高度な専門教育ならびに技術者教育を学ぶ機関であり、高等学校同様に体育を含めた一般教科のカリキュラムも展開されている。本研究の目的は高専において、ICTを用いた体育授業を展開することにより、学生の主観的な理解度がどの程度向上されたかをフィードバックに焦点を当てて調査することで今後の高専体育の質的向上の一助とすることであった。「体育Ⅰ(90分)」のバレーボールの単元の時間を用いて3つのグループを編成した(グループ1:スマホディスカッション群 グループ2:遅延映像を用いた即時フィードバック群 グループ3:教員による口頭指導・見本群)。バレーボールのアンダーハンドパスにおける5つのポイントを提示し、アンダーハンドパスの課題テスト(pre)後、グループごとに異なったフィードバックを行った。その後、再度課題テスト(post)行い、結果の推移と各フィードバックを行ったことによる主観的理解度を、アンケート調査を用いて比較・分析した。その結果、有意な差はみられなかったもののICTを用いた群(グループ1およびグループ2)の方がICTを用いなかった群に比べ、授業を受けたことによって自己の技術向上に役立ったという傾向がみられた。また、遅延映像を用いた即時フィードバック群においては「腕と体幹の角度を一定にする」というポイントにおいてテスト前より理解が深まったという結果が表れた。ICTを適切な場面と方法で用いることによって、効果的に技能の理解を深めることができると示唆された。