The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » Biomechanics

バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー04] 上肢の運動による移動視標に対するタイミング一致課題時の運動制御特性

〇Kasumi Ono1, Fumi Hasebe1, Maiko Miura1, Yume Sato1, Chiaki Ohtaka2, Motoko Fujiwara2 (1.Nara Women's University Graduate School, 2.Nara Women's University)

 スポーツ動作においては、タイミングコントロール能力は非常に重要である。移動する対象物に合わせて動作を行うタイミング一致能力に関する先行研究では、移動視標を用いて検討したものが多いが、視標の移動方向については水平左右である場合がほとんどで(中本・森、2008;Ohta、2017 )、水平前後方向において前方から被験者に対して向かってくる移動視標に動作を合わせる課題を用いたものはあまりみられない。また、課題動作としては、単関節を用いたものが多く(Teixeira et al.、2006;井尻・中澤、2017 )、複数の関節による動作に着目し、その関係性について言及したものは少ない。そこで本研究では、速度変化を伴う水平前後方向の移動視標を用い、肩関節と肘関節の2関節運動によるタイミング一致動作時の制御特性を明らかにすることを目的とした。
 被験者の前方奥から手前に向かって順番に点灯するLEDを移動視標とし(全長2.6m)、LEDが最終地点に到達するタイミングに合わせて、机上の台車(15cm×9cm )に取り付けたレバーを握って、肩関節の水平屈曲および肘関節の水平伸展により、設定された目標地点まで20cm移動させることを課題動作とした。速度はslow、middle、fastの3種類とし、条件として、移動視標の速度が変化しない速度一定条件と、途中で速度がmiddleからfastへ変化する加速条件、またmiddleからslowへ変化する減速条件の3つを設定した。
 ハイスピードカメラを用いた上肢の動作解析と合わせて、三角筋前部および後部、上腕二頭筋、上腕三頭筋の筋活動を分析し、速度一定条件における3種類の速度に対する運動指令の違いを確認したうえで、加速条件と減速条件における速度変化への対応に着目する。発表では、2関節の連動によるタイミング一致動作時の運動制御特性について詳細に言及する。