日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー10] バックストロークレッジが背泳ぎスタート動作に与える影響

背泳ぎスタートの回転動作に着目して

〇佐藤 大典1、水上 拓也2、水藤 弘吏3、草薙 健太4、髙橋 繁浩4 (1.びわこ成蹊スポーツ大学、2.大阪体育大学、3.愛知学院大学、4.中京大学)

【目的】本研究では2015年より導入された、背泳ぎ用スタート補助装置であるバックストロークレッジ(以下、BSL)が背泳ぎスタート動作に与える影響について、背泳ぎスタートの回転動作に着目し検討した。【方法】対象者は男子競泳選手8名とした。背泳ぎスタートは3種類のBSLの設置位置(水面より+40mm、0mm、-40mm)でのBSLを使用した試技(以下、BSLあり)およびBSLを使用しない試技(以下、BSLなし)とし、頭部が15mを通過するまでの15m背泳ぎ全力泳を1回ずつ行わせた。なお、本研究では被験者が普段使用しているBSLの高さ(+40mm:7名、0mm:1名)をBSLありの分析対象試技とした。2台のハイスピードカメラをプール壁面から6mまでの背泳ぎスタート動作の水上動作および水中動作を撮影するため、被験者側方に設置し、実長換算法を用いて実座標値を得た。【結果および考察】5m通過時間には、両試技間に有意な差が認められなかった。被験者がハンドグリップを離した瞬間(以下、手離れ時)の身体重心水平速度はBSLありの方が有意に高値を示した(p = 0.029)。さらに、振り子モデルを用いて算出した身体重心速度の回転成分は、手離れ時(p = 0.004)および被験者の足部がプール側壁から離れた瞬間(以下、跳び出し時)(p = 0.025)において、BSLありの方がBSLなしよりも有意に高値を示した。このことより、BSLを使用することによって身体の回転動作が容易となり、特にスタートシグナルから手離れまでの時点において、高い身体重心水平速度の獲得に繋がったことが考えられる。