日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育経営管理 ポスター発表

[06 経ーポー04] スポーツ参加者の種目に対する心理的なつながり

多次元的アプローチからの検討

〇霜島 広樹1 (1.福岡大学)

競技生活を終えたトップアスリートがメディアや自身のSNSを通し、当該種目に対し「恩返しがしたい」とコメントしている場面がしばしば見受けられるが、このような例からも、スポーツ参加者における種目への心理的な結びつきの強さと行動には様々な関係性が存在することが予想される。種目に対する心理的な結びつきは、スポーツ科学の研究領域において、points of attachment(愛着の対象)における「種目への愛着」(Robinson et al., 2004 ; trail et al., 2003)や「スポーツ・コミットメント」 (Scanlan et al.,1993)といった概念が主に用いられてきた。もともと、愛着やコミットメントといった概念は社会心理学の分野で用いられてきた概念であり、これらの概念は組織論の研究分野における「組織コミットメント」や消費者行動研究の分野における「ブランドコミットメント」といった形で援用され、最近では、構成概念における多次元性に関する検討がしばしば行われるようになってきている(高尾、2013 ; 相馬・清水、2016)。points of attachmentにおける種目への愛着やスポーツ・コミットメントの概念はいずれも1つの因子から構成されているが、スポーツ参加者の種目に対する心理的なつながりを多次元的に検討することで、スポーツ参加者の行動に関する様々な現象をより正確に理解することが可能となりえる。以上より、本研究ではスポーツ参加者における種目への心理なつながりについて多次元的なアプローチから検討し、それらが及ぼす影響について検討することを目的とする。