日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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発育発達 ポスター発表

[07 発-ポー10] 多要素で構成されるアジリティテスト「Nチャレンジ」の信頼性および妥当性

〇森田 憲輝1、石原 暢2、山本 理人1、志手 典之1、奥田 知靖1 (1.北海道教育大学岩見沢校、2.神戸大学)

【背景および目的】

アジリティは多くのスポーツの競技力に重要であり、下肢筋力、コオーディネーション能力そして認知機能などに影響される。しかし、単一タイムでの評価では、各要素の貢献度評価は困難である。よって、当研究グループでは小学生向けに、複数の運動要素で構成し、その各要素の評価を可能とするアジリティテスト「Nチャレンジ」を開発し、その信頼性および内容的妥当性を検討した。

【方法】

Nチャレンジは6つの区間およびその総合タイムの計7つのタイムを1回の測定から得られる。内容的妥当性は、運動生理学を専門とする研究者8名にNチャレンジ動画および小学生の平均タイムを提供し、動画視聴後に質問がある場合には発表者との質疑応答を行い、その後4段階での妥当性評価を実施した。評価はSheppard & Young (2006)の定義を用い、総合タイムを主要評価、各区間タイムを副次的評価として評価を依頼した。評定からItem Content Validity Index (I-CVI)を算出した。信頼性の検討では、141名の1-6年生の男子児童にNチャレンジおよび対照条件として20m直線走を実施した。test-retest法で各種目とも2回の測定を実施し、級内相関係数(ICC) およびBrand-Altman法によって信頼性を検討した。

【結果】

Nチャレンジ総合タイムのI-CVIは1.0であった。総合タイムおよび20m直線走のICCは0.97(95%信頼区間(CI):0.96-0.98)および0.98(95%CI:0.98-0.99)であった。各区間のICCは0.80-0.97の範囲であった。Brand-Altman plotから総合タイムに系統誤差は確認できなかった。

【結語】

本研究結果より、Nチャレンジ総合タイムはアジリティテストとして高い信頼性および内容的妥当性を有することが示唆された。