日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

講演情報

ポスター発表(専門領域別)

専門領域別 » 発育発達

発育発達 ポスター発表

[07 発-ポー11] ネパールとラオスにおける子どもの健康的生活習慣の実態

〇國土 将平1、佐川 哲也2、中野 貴博3、小磯 透3、上田 恵子4 (1.神戸大学、2.金沢大学、3.中京大学、4.畿央大学)

【目的】今日までの研究で経済的な発展とともに子ども達の生活習慣が夜型化、都市化することを明らかにしてきた。本研究では後発開発途上国であるネパールとラオスにおける子どもの健康的生活習慣の実態を明らかにすることを目的とする。
【方法】ネパール・ラオスでは各国4校の小学校・中等学校において、ネパールでは4年生から10年生、ラオスでは4・5年生を対象として、2017〜2019年の3年間にのべ3244名を対象として、起床就寝習慣や食生活、テレビやゲーム、SNSの利用や勉強時間など帰宅後の生活時間、歯磨きや入浴、排便習慣など清潔習慣について調査を行った。なお調査票は英語で作成後、ネパール、ラオス語に翻訳した。
【結果並びに考察】ここでは生活時間の結果を示す。就寝時刻はネパール21:06±0:59、ラオス21:04±0:57であった。ネパールでは、4・5年生20:48、10年生21:31であり高学年になると少し遅く就寝していた。起床時刻はネパール6:03±0:39、ラオス6:12±0:36であった。また、ネパールでは、4・5年生6:12、10年生5:51であり高学年になると少し早く起床していた。これらの変化はタイ国の経済発展前の農村部と類似していた。学習時間はネパール1h49±1h01、ラオス1h09±0h50でありネパールでは毎年進級テストがあるため、勉強時間が長い傾向であると推測される。ゲームの時間はネパール35±45分、ラオス26±46分、テレビ視聴時間はネパール46±51分、ラオス42±58分、SNS利用時間はネパール17±38分、ラオス18±42分となり、分布の歪みも大きいことが明らかとなった。朝食の時刻は、ネパールが8:39±0:34、ラオス7:07±0:32であった。ネパールでは学校開始が10時、食事も1日2回のため、朝食時間も遅いと推測される。