日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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測定評価 ポスター発表

[08 測ーポー03] FMS™ Trunk Stability Push Upのスコア向上に体幹屈曲筋力強化は有効か?

スコア3点群と1点群での比較

〇高崎 恭輔1 (1.東海学園大学 スポーツ健康科学部)

【目的】Functional Movement Screen(FMS)は、身体の基本的な動作の癖、不均衡、非対称性などを評価する方法であり、7種類の動作テストの合計スコアによってスポーツ障害の発生リスクを予測できるといわれている。本研究では、7種類のテストのうち主に体幹機能を評価するTrunk Stability Push Upテスト(TSPU)について、各種の体幹屈曲筋力テストとの関係を分析し、TSPUのスコア改善に体幹屈曲筋力強化が有効であるか否かを検討した。本検討では、3点満点で評価されるTSPUについて、障害発生リスクが低いとされる3点を獲得した者とリスクが高いとされる1点の者との間での比較を行った。【方法】対象は大学生(男性27名、女性19名)とした。実験方法はまず全対象にTSPUを行わせ、スコアによって3点群と1点群に分類した。その後全対象に30秒間上体起こしテスト、Canadian Crunch テスト、最大筋力測定(1RM)の3種類の体幹屈曲筋力テストを実施し、各結果についてTSPUのスコア3点群と1点群の間で男女別に比較した。統計学的検討には対応のないt検定を用いた。【結果】男子では3種目の体幹屈曲筋力検査の結果に3点群と1点群の間で有意差はみられなかった。一方女子では、1RMにおいて1点群に比べ3点群が有意に高値を示した(p<0.05)。【結論】本研究結果から、男子ではTSPUのスコアの良し悪しと体幹屈曲筋力の間には関連性がないことが確認された。このことから体幹屈曲筋力の強化は、TSPUのスコアの改善に必ずしも有効ではないことが示唆された。一方女子では3点群において1RMのみ有意な高値を示したことから、障害予防に体幹屈曲の最大筋力の強化が必要になる可能性や、TSPUの難易度が女子にとっては高すぎる可能性が示唆された。