[08 測ーポー07] 若年者における立位姿勢の開眼及び閉眼時の各種重心動揺変数の性差
【背景】重心位置は安定立位姿勢を維持するために絶えず動揺しているが、視覚や視野によるフィードバック情報が制約されれば重心動揺はさらに大きくなると考えられる。とくに閉眼による情報制限は重心動揺に大きな影響を及ぼすことが報告されている。視覚情報の制限よって影響を受ける動揺変数は異なることが考えられ、性差が認められる動揺変数も異なる可能性があるが、これらに関して十分に検証されていない。
【目的】本研究では若年者を対象に立位姿勢の開眼及び閉眼時の各種重心動揺変数の性差を検討する。
【方法】21~32歳の健康な若年男性43名(24.0±2.9歳)、若年女性38名(22.5±0.9歳)、計81名(23.3±2.3歳)を対象とした。対象者は重心軌跡測定器(竹井機器)上にロンベルク姿勢(完全閉足)にて開眼と閉眼の2条件でそれぞれ静止立位姿勢を1分間保持した。その際のX軸軌跡長、Y軸軌跡長、総軌跡長及び外周面積をサンプリング周波数20Hzで記録した。また、パワースペクトル変数として3方向(X, Y, R)におけるピーク及びパワーを算出した。開眼と閉眼による静止立位姿勢測定はランダムに行った。両条件とも1分間の休息を挟み3試行実施し、後半2試行の平均値を評価変数とした。
【結果】二要因分散分析の結果、各種軌跡長は男女とも閉眼が開眼より高値を示した。X軸及び総軌跡長は開眼・閉眼とも、Y軸軌跡長は閉眼のみ男性が女性より高値を示した。外周面積は閉眼のみ男性が女性より、男性のみ閉眼が開眼より高値を示した。各種パワースペクトル変数の内、各方向パワーは全て男性が女性より、X方向のみ閉眼が開眼より高値を示した。各方向ピークは全て性差は認められず、X及びR方向ピークでは閉眼が開眼より高値を示した。
【結論】若年者では開眼時におけるY軸軌跡長及び外周面積に、また開眼及び閉眼時における各方向ピークに性差はないと判断される。
【目的】本研究では若年者を対象に立位姿勢の開眼及び閉眼時の各種重心動揺変数の性差を検討する。
【方法】21~32歳の健康な若年男性43名(24.0±2.9歳)、若年女性38名(22.5±0.9歳)、計81名(23.3±2.3歳)を対象とした。対象者は重心軌跡測定器(竹井機器)上にロンベルク姿勢(完全閉足)にて開眼と閉眼の2条件でそれぞれ静止立位姿勢を1分間保持した。その際のX軸軌跡長、Y軸軌跡長、総軌跡長及び外周面積をサンプリング周波数20Hzで記録した。また、パワースペクトル変数として3方向(X, Y, R)におけるピーク及びパワーを算出した。開眼と閉眼による静止立位姿勢測定はランダムに行った。両条件とも1分間の休息を挟み3試行実施し、後半2試行の平均値を評価変数とした。
【結果】二要因分散分析の結果、各種軌跡長は男女とも閉眼が開眼より高値を示した。X軸及び総軌跡長は開眼・閉眼とも、Y軸軌跡長は閉眼のみ男性が女性より高値を示した。外周面積は閉眼のみ男性が女性より、男性のみ閉眼が開眼より高値を示した。各種パワースペクトル変数の内、各方向パワーは全て男性が女性より、X方向のみ閉眼が開眼より高値を示した。各方向ピークは全て性差は認められず、X及びR方向ピークでは閉眼が開眼より高値を示した。
【結論】若年者では開眼時におけるY軸軌跡長及び外周面積に、また開眼及び閉眼時における各方向ピークに性差はないと判断される。