日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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測定評価 ポスター発表

[08 測ーポー11] 日本とデンマークの青年における健康増進ライフスタイルの国際比較

〇小島 理永1 (1.神戸女子大学)

デンマークは国際連合が発表する世界幸福度調査において、2020年より過去5年にわたり上位3位を占めている。そこで本研究では、日本とデンマークの青年におけるライフスタイルや健康習慣ならびに自尊感情について比較調査を行うことで、両国の青年の特徴を明らかにし身体運動との関連を検討することを目的とした。日本の健康・医療系大学に通う大学生ならびにデンマーク成人教育機関のオレロップ体育アカデミーの学生を対象にWeb調査を行い、158名(日本人88名、デンマーク人70名)の回答を得た。調査には健康増進ライフスタイルプロフィール(以下、HPLPⅡ)(Health-Promoting Lifestyle ProfileⅡ; Walker et al., 1995)およびRosenberg自尊感情尺度(Rosenberg, 1965)を用いた。分析にはHPLPⅡを構成する6因子(健康意識、精神成長、身体運動、人間関係、栄養、ストレス管理)の下位尺度得点と自尊感情得点の平均値および相関を算出した。両国間や両国の男女差を検討した結果、デンマーク人が日本人に比べ有意に高い値を示したものは精神成長因子得点、身体運動因子得点および自尊感情得点であった。また、身体運動因子得点とストレス管理因子得点の間に中程度の正の相関が認められた。一方、日本人のストレス管理因子得点の値はデンマーク人に比べ有意に高く、特に女子では健康意識因子得点についても有意に高い値を示した。さらに日本人は身体運動因子得点と自尊感情得点の間に弱い相関が認められたが、身体運動因子得点とストレス管理因子得点の間には相関が認められなかった。これらの結果より、日本の青年についてはストレスへの対処や健康に対する意識はデンマークの青年より高いものの、それらは身体運動の実施とは関連がなく、身体運動の実施は自尊感情の高さに関連する可能性が示された。