[08 測ーポー13] ラグビー部に所属する男子高校生における足趾筋力と走力の関係
足趾筋力と直線走能力の関係は報告されているが、直線走と方向変換走の両タイムに相関は見られないことが指摘されており、足趾筋力の大小は要因の1つになると考えられる。そこで、本研究では現行の第1趾に加えて全趾を測定可能な足趾筋力システムを開発し、ジュニア期のラグビー選手の足趾筋力を測定するとともに、走力を測定し、体重当たりの相対的な足趾筋力と走力の間の関係性を明らかにした。足趾筋力は右足の第1趾12.5±4.6kg、第2趾4.8±2.3kg、第3趾5.4±2.2 kg、第4趾5.1±2.0kg、第5趾8.0±3.2 kgであり、左足の第1趾11.7+5.1kg、第2趾5.3+2.1 kg、第3趾5.6±1.9 kg、第4趾5.6±2.4kg、第5趾6.5±3.0 kgであった。第5趾における足趾筋力は、右足の方が左足よりも有意に大きな値を示した(p<0.01)。10m走のタイムと右足第1趾の間に有意な相関関係がみられ(r=-0.587, p<0.001)、また10m1往復半走のタイムと右足第4趾に有意な相関関係が認められた(r=-0.481, p<0.05)。さらに、体重当たりの相対的な足趾筋力と10m走および10m1往復半走のタイムの相関係数も求めた。10m走のタイムと右足第1趾(r=-0.643, p<0.01)および右足第2趾(r= -0.452, p<0.05)の間に有意な相関関係がみられた。また10m1往復半走のタイムと右足第4趾(r=-0.540, p<0.01)、右足第5趾(r= -0.429, p<0.05)、左足第1趾(r= -0.435, p<0.05)、左足第4趾(r= -0.445, p<0.05)および左足第5趾(r= -0.500, p<0.05)の間に有意な相関関係が認められた。これらのことから、走行能力発揮のためには体重に見合った足趾筋力が必要であることが明らかになった。