日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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測定評価 ポスター発表

[08 測ーポー16] プロサッカー選手の心理的要因に関する研究動向

オープンアクセス文献を用いた文献レビュー

〇並木 伸賢1、堀野 博幸2 (1.早稲田大学スポーツ科学研究科、2.早稲田大学スポーツ科学学術院)

【目的】サッカー選手の心理面における研究は、様々な領域(例えばパフォーマンス向上、タレント発掘、怪我の予防、メンタルヘルス対策等)で進められているが、プロサッカー選手だけが対象ではない場合も多い。また、一般的な選手や指導者は、プロ選手を参考に日々の取り組みに活かしている一方で、有料文献へのアクセス権を持たないことが想定される。そこで本研究では、プロサッカー選手を対象に行われている研究において検討された心理的要因についてオープンアクセスの文献を用いて検討し、この分野の研究動向について概観することを目的に文献レビューを行った。

【方法】国内外のデータベースで“psychology & soccer & professional”などを用いて文献検索を行い、海外文献は650件、国内文献は429件が検索された。適格基準および除外基準に照らし、最終的に24件の研究を抽出した。

【結果と考察】本研究で採択された文献の殆どが国外の文献であり(N = 23)、一般的な選手や指導者が、日本のプロ選手への心理面での取り組み状況を知ることは難しいと言えた。プロサッカー選手を対象に検討された心理面では、半数以上の研究(N = 14)で、ネガティブな心理状態、気分状態、コーピングについて検討していた。ストレス等によって生じる感情を上手く対処・コントロールすることが、現時点ではプロサッカー選手に特に求められている事の一つであると言えた。また研究デザインでは、介入研究は少なく(N = 1)、観察・調査研究が多かった。選手にとって比較的負担の少ない方法が取られており、現時点ではプロサッカー選手の心理的特徴や試合(シーズン)前後の変化等を把握し、重要と考えられる要因を整理する段階であると考えられた。