The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » Coaching and Training

体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー06] 日本一流長距離選手と学生長距離選手の走動作の比較

〇ATSUYA KUROSAKI1, Michiyoshi Ae2 (1.Graduate School of Nippon Sport Science University, 2.Faculty of Nippon Sport Science University)

陸上競技長距離走の世界一流選手と日本人一流選手の走動作を比較したものはあるが試合における日本人一流選手と学生選手についてみたものは少ない。そこで、本研究では、試合における日本人一流選手と学生選手の走動作を比較し指導に役立つ知見を得ることを目的とした。対象者は、日本陸上競技選手権大会(2020年12月)の男子10000mに出場した上位3名(以下、日本人一流選手)と日本体育大学長距離競技会(2020年11月、12月)の男子10000mに出場したN大学駅伝部所属の16名(以下、N大学の選手)である。撮影には1台のデジタルビデオカメラを用いて4150m地点(以下、前半)と8150m地点(以下、後半)の走動作を側方から撮影し、身体計測点23点の座標値を得た。得られデータから、走スピード、ステップ長、ステップ頻度、支持時間、非支持時間、一歩の時間などを算出し、日本人一流選手と比較をした。その結果、前半から後半にかけて、日本人一流選手では、走スピード以外に有意な低下はみられなかった。しかし、走スピードには有意な1%の低下傾向(前半、5.64±0.04m/s、後半、5.58±0.12m/s)がみられた。また、N大学の選手には、走スピードに3%の有意な低下(前半、5.51±0.17m/s、後半、5.34±0.24m/s)がみられ、ステップ頻度(前半、3.13±0.1歩/秒、後半、3.08±0.1歩/秒)、支持時間(前半、0.20±0.01s後半、0.21±0.01s)、一歩の時間(前半、0.32±0.01s、後半0.33±0.01s)において、それぞれ2%、4%、2%の有意な低下傾向がみられた。非支持時間には有意な低下はみられなかった。これらのことから、N大学の選手では前半から後半にかけて支持時間の増加が一歩の時間の増加やステップ頻度の低下を生じ走スピードの低下を引き起こしたと考えられる。