[09 方ーポー14] バルシューレの実践による小学校低学年におけるボールゲームの戦術行動の変化
本研究の目的は、小学校低学年の児童を対象にボールゲーム導入プログラムとしてドイツで開発されたバルシューレ(Ballschule)プログラムを10週間実施し、トレーニング前後における児童の戦術行動の変化を分析することで、バルシューレの実践が児童の戦術行動の変化に及ぼす影響を検討することであった。
方法は、小学校1・2年児童14名を対象とし、2019年5月~7月の期間において、10週間のバルシューレプログラムを実施した。トレーニングの前後には、約3分間のゴール型ボールゲームテストを行った。このテストは、手でのパスによってボールを運び得点を目指すゲームであり、4対4または5対5で行った。この中には、ゲームがうまく展開できない場合の補助として指導スタッフを各チームに1名ずつ配置した。テストの様子をビデオカメラで撮影し、後日、パス数・シュート数・攻撃回数等の基本的なゲー統計データの収集に加え、2次元DLT法による映像解析手法を用いて、児童の位置情報を算出し、児童の移動距離・移動速度、またパスによる戦術行動を分析した。
主な結果は次のとおりである。トレーニング前と比較して、トレーニング後には攻撃回数およびパス数が減少した。さらに、味方児童のいないところへのパスミス数についても減少した。パスの距離はトレーニング前には3.78±1.80m、トレーニング後には3.03±1.84mであり、トレーニング前後での有意な変化は認められなかった(p>0.05)。また、パスを行うまでの児童のボール保持時間は、トレーニング前は4.50±2.67秒であったが、トレーニング後は7.27±5.19秒であり、ボール保持時間が有意に長くなった(p<0.05)。これらの結果は、10週間のバルシューレプログラムの実践によって、攻撃行動よりも先に目的に応じた防御行動のスキルが高まったことによると考えられた。
方法は、小学校1・2年児童14名を対象とし、2019年5月~7月の期間において、10週間のバルシューレプログラムを実施した。トレーニングの前後には、約3分間のゴール型ボールゲームテストを行った。このテストは、手でのパスによってボールを運び得点を目指すゲームであり、4対4または5対5で行った。この中には、ゲームがうまく展開できない場合の補助として指導スタッフを各チームに1名ずつ配置した。テストの様子をビデオカメラで撮影し、後日、パス数・シュート数・攻撃回数等の基本的なゲー統計データの収集に加え、2次元DLT法による映像解析手法を用いて、児童の位置情報を算出し、児童の移動距離・移動速度、またパスによる戦術行動を分析した。
主な結果は次のとおりである。トレーニング前と比較して、トレーニング後には攻撃回数およびパス数が減少した。さらに、味方児童のいないところへのパスミス数についても減少した。パスの距離はトレーニング前には3.78±1.80m、トレーニング後には3.03±1.84mであり、トレーニング前後での有意な変化は認められなかった(p>0.05)。また、パスを行うまでの児童のボール保持時間は、トレーニング前は4.50±2.67秒であったが、トレーニング後は7.27±5.19秒であり、ボール保持時間が有意に長くなった(p<0.05)。これらの結果は、10週間のバルシューレプログラムの実践によって、攻撃行動よりも先に目的に応じた防御行動のスキルが高まったことによると考えられた。