日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー25] 自己相関係数によるプロバスケットボール選手の「好不調」の安定性

3ポイントショットについて

〇田方 慎哉1、青柳 領2、小牟礼 育夫2、長嶺 健2、大山 泰史3 (1.広島ドラゴンフライズ、2.福岡大学、3.佐世保工業高等専門学校)

プロバスケットボールはリーグ戦形式で、年間多くの試合をこなす。この長い期間の中で自分の「調子」を一定に保つのはかなり困難で、大なり小なりの「好不調の波」があることが予想される。しかし、そのような状況下でも一流と呼ばれる選手は自分の「調子」を維持する適性、素質、独自のコンディショニング法を備えているのかもしれない。コーチとしては選手の「調子」が安定しているのか、あるいは「試合に出てみないとわからない」は、選手起用やスカウティングの際、重要な問題である。そこで本研究では、自己相関係数、つまり前の試合の成績と次の試合の相関係数より「好不調」の安定性について検討し、さらに関連する諸要因との関連を検討する。特に、今回はその重要性を無視できない3ポイントショット(以下3PS)を対象にする。対象は、B。 LEAGUEに所属し、1シーズン(60試合)で3PSを試投した試合が40試合を超える選手96名である。分析方法は、試合ごとの3PS%から自己相関係数(以下、係数)を求め、その分布を検討した。同時に、出場試合数、1試合あたりの3PSの試投回数などについても調査した。そして、これらの要因と得られた係数との相関係数を求めた。結果、その分布の形状から「調子が安定している選手」「やってみないと分からない選手」「常に逆の変動を示す選手」の3パターンが見出された。さらに、係数と諸要因の関連では、係数が高い選手ほど、1試合あたりの得点(r=-0.270)、1試合あたりの出場時間(r=-0.225)、1試合あたりの2Pショットの試投回数(r=-0.247)で相関係数が有意な負の値を示した。つまり、調子が安定している選手ほど、1試合あたりの得点が低く、短い出場時間で、2P試投が少なかった。これは、短い出場時間のなかで、3PSに特化した得点パターンを持っている、いわゆる「シューター」のような役割が考えられる。