日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育方法 ポスター発表

[09 方ーポー38] 球技の工夫したゲームの実態調査その1

サッカーで実施されている指導目的と工夫の仕方について

〇大塚 道太1、森木 吾郎2、房野 真也2、伊藤 数馬5、山中 亮3、梶山 俊仁4、土田 洋4、髙橋 幸平4、山本 英弘4 (1.大分大学、2.広島文化学園大学、3.愛媛大学、4.朝日大学、5.愛知東邦大学)

 競技スポーツの球技指導では、選手やチームの競技力向上などを指導目的として、プレーヤーの人数やコートの大きさ、ルールなどを工夫したゲームが行われている。そのため、工夫したゲームの指導目的と工夫の仕方の関係性やそのトレーニング効果などを科学的エビデンスによって検証することは、球技の指導現場に有益な情報を提供することができるであろう。
 しかしながら、その指導目的と工夫の仕方は多岐にわたり、これは研究を着手する際の障壁となる。そのため、実際に球技の指導現場で行われている工夫したゲームの指導目的と工夫の仕方により即した研究から着手すべきであるが、これに参考となる資料等は管見の限り見られない。そこで本研究では、スポーツ科学と球技の指導現場の橋渡しの足掛かり的な役割を果たすために、球技の指導現場で実際に行われている工夫したゲームの指導目的と工夫の仕方の実態調査を行うこととした。
 具体的には、まず工夫したゲームをサッカー種目に限定し、競技力向上を目指したチームを指導するサッカーコーチ30名を対象とした質問調査紙による工夫したゲームの実態調査を行った。質問調査紙では、対象者に工夫したゲームの概要を説明された後に、直近の指導で実施した工夫したゲーム1つを抽出してもらい、それぞれの指導目的と工夫の仕方に関する質問項目について自由記述で回答してもらった。
 その結果、工夫したゲームの指導目的については、主に選手個人の技術力、戦術力、体力の向上が目指されていた。工夫の仕方では、プレーヤーの人数やコートの大きさ、ルールなどについて、様々な工夫したゲームが見られた。本研究の結果は、工夫したゲームのトレーニング効果を科学的エビデンスによる検証するために貴重な資料となり得るだろう。そのため、今後はサッカー種目以外の球技における工夫したゲームの指導目的と工夫の仕方の実態調査をしていく必要があるであろう。